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選特化学 授業の補足13

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 化学電池の単元に入りました。(最近普及している太陽電池は物理電池です。)教科書では、1800年にIl Conte Alessandro Giuseppe Antonio Anastasio Voltaが最初の化学電池をつくったことになっています。そのきっかけとなったのは1791年にLuigi Galvaniがカエルの筋肉に2種類の金属を触れると痙攣がおこるという現象でした。Galvaniはこの「動物電気」は筋肉に蓄えられていたと考えていましたが、Voltaは筋肉の代わりに食塩水に浸した紙を2種類の金属で挟んでも同じように電流が生じることを確かめました。これが、電極に亜鉛と銅の2種類の金属を、電解液に硫酸または食塩水を使った「ボルタの電堆」の発明につながりました。

 電池には電子を放出する還元剤(負極),電子を受け取る酸化剤(正極),負極と正極をつなぐ導体(導線)が必要です。また、負極と正極を電解液に浸して接続しないと、電気回路はできません。ボルタ電池では、負極に亜鉛板,正極に銅板,電解液に希硫酸が使われています。酸化剤や還元剤が電解液に溶解する場合、拡散によって広がるため、酸化剤と還元剤が直接反応します。それを防ぐために、酸化剤と還元剤の容器は仕切り、素焼き板や塩橋で接続する必要がありますが、ボルタ電池ではそれが不完全です。