ウインターサイエンスキャンプ報告④
つくばにある産業技術総合研究所つくばセンターで「生きていることと生きること~遺伝子の世界と脳の世界~」を体験してきたM.I.さんの報告です。
今回最も印象的だったのはブレイン・マシン・インターフェース(BMI)です。BMIとは脳波を計測することで体を動かせないような重度の身体障害を抱える人でも簡単に意思を伝えることができるような機器のことです。インターフェースの研究所ではニューロコミュニケーター、ニューロフィードバックシステム、電動車いすの3つを見せていただきました。
ニューロコミュニケーターは8つの絵を見せ、その脳波を解析することでどのメッセージを伝えたいかが分かるという機器です。8つの項目から一つを選ぶと、次にそれより詳しい内容の項目が表れると言うように、3つの階層に分かれています。一度テレビで見たことがあったので、実際に見せていただいて感激しました。最近は持ち運びに便利な小型なものも開発されているそうです。しかしまだ、8種類×8種類×8種類の512種類の意思しか表示することができないので、いかに簡単に多くの意思を表示できるかが今後の課題だと思います。ニューロフィードバックシステムとはリラックスしたときに出るα線を計測しリラックスの訓練をするものです。これは実際に体験させていただきました。そして分かったことは、目を開けたままリラックスするのは難しいということです。アメリカなどでは目を開けたままリラックスし、一番いい状態にもっていけるよう、オリンピック選手の訓練などに使われているそうです。電動車いすは私が見たことのある電動車いすのように手でハンドルを操作するのではなく、頭を軽く傾けるだけで傾けた方向に車いすが動いていました。
そして、1月7日の新聞にBMIの記事があり、技術がどんどん進化していることを知りました。これらは私が将来やってみたいと思っていたことに大変近く、BMIに携われるような職に就きたいと思いました。
また、線虫の受精卵のDNAを着色し、卵割を目の前で見ました。教科書で分裂の写真などを見たことはありましたが、リアルタイムで染色体が分かれる瞬間をみたのは初めてで、とても感動しました。早送りしたビデオなどではなく見ると、中期に染色体が赤道面に並んでから分かれるまでは本当に速いということを知りました。また、DNA(染色体)だけを見ると完全に分かれているのに、細胞を実際に見るとまだ全然分かれておらず、核分裂と細胞質分裂には本当に時差があるのだと分かりました。
今回サイエンスキャンプに参加したことで、普通に暮らしていたら経験することのない実験や機器などを見ることができて、とても良い経験をすることができました。また、日本全国の同年代の人に会うことができ、とても充実し3日間を過ごすことができました。本当に参加して良かったと思いました。