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選特化学 授業の補足14

 すでに返却している学年末考査【6】の解説です。
リード文を読んで、内容をつかむことができるかどうかがポイントとなります。それぞれの手順を整理していきます。
手順1 試料10.00mLを量り取る。このときに使用する器具はホールピペットです。
手順2 水200mLで薄めた後、シュウ酸アンモニウムを過剰に加える。(Ca2+はすべてシュウ酸カルシウムとして沈殿します。)
 Ca2+ + (NH4)2C2O4 → CaC2O4↓+2NH4+
手順4 シュウ酸カルシウムを硫酸で完全に溶かす。
 CaC2O4 + H2SO4 → H2C2O4 + CaSO4
手順5 硫酸酸性のシュウ酸水溶液を過マンガン酸カリウム水溶液で滴定する。滴定するときに使用する器具はビュレットです。
 2KMnO4 + 5H2C2O4 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + 10CO2 + 8H2O + K2SO4
ビーカーの中のシュウ酸水溶液には色はありません。Mn2+もほとんど色がありません(淡い桃色)。赤紫色である過マンガン酸カリウム水溶液を滴下していくと、やがて過剰になり、色が消えなくなります。

 何段階もの化学反応を利用しているので、難しそうに見えますが、整理していくと過マンガン酸カリウムで滴定されたシュウ酸の物質量とカルシウムイオンの物質量が同じであることに気づきます。そうすれば正解を導くことができると思います。東京大学の入試問題から出題しました。後半の電気分解の問題も見ておいてください。