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ELCAS2011 Report1

 台風の影響で3日に予定されていた1回目の講座が17日に延期されていました。4名の参加者の専攻はそれぞれ異なります。今回は生物学を専攻したY.S.さんのレポートです。

 ELCAS第1回目はインダクション・セレモニーの後、各分野に分かれて体験コースが行われ、私は遺伝学を専門とする鹿内教授の「植物の重力屈性について」の講義を受けました。
 植物の重力屈性には、植物ホルモンの一種であるオーキシンが関係していて、オーキシンの不均等な分配によって、重力屈性が引き起こされます。また、最近の研究で、根と茎における重力感知の仕組みが異なっていることがわかってきたそうです。根では、根端にあるコルメラ細胞で感知しますが、茎では内皮細胞で感知します。これらの細胞の中にあるアミロプラストという平衡石の役割をもつ細胞小器官が重力方向の変化に対応して細胞内を転がることが、重力方向の感知に関わると考えられています。実際に、重力屈性の仕組みを確認するために、シロイヌナズナを横に倒し10分おきに写真を撮る実験もしました。撮影を10回ほど続け、その画像をつなげると徐々に茎が上を向いているのがよく分かりました。自分の目で確認することができて良い経験になりました。今後のELCASも楽しみです。

 この内容を理解するのに参考となる重力屈性の説明が大阪市立大学理学部にありましたので、リンクを貼っておきます。担当されている保尊隆享教授の名前に懐かしさを感じました。大学で植物生理学を教えていただいた方でした。
 植物細胞の環境応答