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選特生物 授業の補足24

Somatotropine.png

 遺伝子組み換え技術を使って合成されているペプチドホルモンの例として、インスリンと成長ホルモンを挙げました。インスリンはサンガー Frederick Sangerが最初にアミノ酸配列を決定したタンパク質です。21個のアミノ酸残基からなるA鎖と30個のアミノ酸残基からなるB鎖が2ヶ所のジスルフィド結合でつながった構造をしています。サンガーはタンパク質のアミノ酸配列(一次構造)を決定するサンガー法の確立が評価され、1958年にノーベル化学賞を受賞しています。最初に遺伝子組み換え医薬として開発されたのもインスリンで、1982年にアメリカで承認されました。
成長ホルモンは191個のアミノ酸残基からなるタンパク質です。脳下垂体前葉から分泌され、不足すると成長ホルモン分泌不全性低身長症(小人症)を引き起こします。以前は遺体から抽出されていましたが、1988年に遺伝子組み換え技術により開発されました。