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ELCAS2011 Report16

 生物学を専攻しているY.S.さんのレポートです。カルシウムイメージングは東京大学の池谷裕二さんのHPで見ることができます。彼は「単純な脳、複雑な私」「進化しすぎた脳」「のうだま」など、中高生向けの脳科学の本の著者で有名です。授業でもいくつか紹介しましたね。

 まず、オープンコアコースで物理の授業を受けました。ソフトマターや液晶についての話だったのですが、難しくてほとんど理解できませんでした。けれども、物理の世界もおもしろいなと感じました。
 各分野に分かれてから、生物では神経系の研究室で講義を受けました。学校の授業で神経系を習ったばかりだったので知っていることもあり、理解がより深まった気がします。ニューロンやイオンチャネルについての説明を受けた後、カルシウムイメージングを使って、実際にニューロンでカルシウム上昇が起こる様子を観察しました。海馬を培養したものにグルタミン酸やカリウムをかけると神経が興奮する様子をカルシウムイメージングで色が赤に変わることで確認できました。しかし、カドミウムをかけても神経は興奮しませんでした。これはカドミウムがイオンチャネルを通ろうとして穴がふさがってしまい、カルシウムの阻害剤になってしまうからだそうです。イタイイタイ病とも関係があるのかなと思いました。また、遺伝子組み換えマウスを用いた行動実験もおこないました。遺伝子を変異させたことにより、シナプス伝達効率を変化させられないマウスと正常マウスの運動能力を比べるものでした。正常なマウスと比べて、遺伝子組み換えマウスの運動能力が明らかに低いことが確認できました。
 今回のELCASも勉強になることばかりでとても楽しかったです。次回も楽しみです。