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選特生物 授業の補足26 センター試験分析

 今朝は高校3年生が自己採点に登校してきました。このあとは3月までに私立大学の一般入試,国公立大学の個別試験と続きます。最後の頑張りに期待しています。

 センター試験の生物ですが,大問数は5で変化ありませんし,解答数も1問増えただけでした。オーソドックスな内容が多かったので,難しいという印象はなかったと思います。第4問・第5問に使用されたグラフは過去に共通一次でも使用されたものでした。問題演習とその復習の繰り返しで一定の得点は確保できるのではないでしょうか。

第1問 細胞
 問1,2,3,5は平易な基礎知識です。問4は細胞壁があっても細胞内へ水は浸透するので⑤が誤り。問題Bは神経伝達物質を扱っているので,第4問で扱いそうな問題でした。問6は毒素Tの知識はないので,純粋な考察問題です。毒素Tはシナプス小胞から神経伝達物質が放出されることを阻害しているので,シナプス小胞が神経終末に多く観察されたと考えて,④になります。
第2問 生殖・発生
 問1は生殖の基礎知識です。遺伝的に多様な性質を持つのは有性生殖の特徴ですね。問3は遺伝子型を考えてみると簡単かもしれません。個体Xの遺伝子型をXX,個体Yの遺伝子型をXYとすると,種皮は個体Xの珠皮からできるのでXX。葉の遺伝子型と同じなので①が正解です。胚,胚乳,花粉,卵細胞などの遺伝子型がどうなるかは考えておいてください。問題Bでは鞭毛の伸長速度は0-1日はみられず,4-5日は低下していますから⑤が誤りです。問6は胞胚での各部分が何に分化するかを押さえておく必要があります。
第3問 遺伝
 問題Aは性決定と伴性遺伝の基本的な問題でした。問題Bは花の色が遺伝子の相互作用,子葉の色は1遺伝子雑種で,それぞれが独立しています。問題Cは連鎖・組換えと染色体地図の問題です。問6では連鎖している遺伝子の組み合わせがBとkであることに気をつけましょう。問7はリード文の「乗換えの起こりやすさは染色体の場所によって異なる」という部分は,MとNのように染色体上の実際の距離が同じであっても組換え価が大きくなり,染色体地図での幅も広くなることもあり得ることを意味します。良い考察問題だと思います。
第4問 動物生理
 問1は教科書レベルの基礎知識です。魚類の腎臓では高張尿がつくれません。図1ではy=xのグラフが浸透圧調節していないことを,y=aのグラフが浸透圧調節していることを示しています。問3は基礎知識です。授業では腎細管ではなく集合管に作用することも確認しました。問題Bは生体防御を扱っています。問5で②や③は赤血球のことを指していますから誤りです。アレルギーは過剰に反応することですから,問6の⑥も誤りです。
第5問 植物生理
 問題Aは光合成速度の問題です。図1が陽葉のデータであることを見落とさないようにしましょう。また,縦軸が酸素放出量ですからみかけの光合成速度であることも要注意です。問1では真の光合成速度との区別を注意するように問題文にも書いてありますから,光強度500のときは7+1=8となります。問3の場合も実験群から得られるデータは呼吸の分だけ消費されていますから,対照群の呼吸量を加えなければなりません。問題Bのオーキシンと伸長成長は昨年度も出題されていました。問6は4℃で屈曲が起こらないが,20℃に戻すと屈曲することから屈曲方向の決定は4℃でおこなわれていたと考えます。