ELCAS2011 Report22
今年最初の報告は宇宙を受講しているM.F.さんです。レポートを読んでいても,楽しそうに学んでいるようすが伝わってきます。
今回のELCASはいつもは実験なんですが,何と!!花山天文台に行って,星を実際に見ることができました。天文台に行くのは2度目ですが,星を見るのは初めてだったのでとてもワクワクしました。コースごとに分かれる前のオープンコアの講義内容でも,宇宙に関連した「太陽風」「宇宙人はいるのか」「フレア」などが本当に面白く,特に今までの地球上での生物絶滅の原因の一つはフレアかも知れないという話はすごく興味深かったです。天文台にタクシーで移動した後は太陽を観察しました。もちろん直接みるわけではなく超々でかい鏡を使った1つの部屋ぐらいある望遠鏡です。少し残念なことに夕方だったので輪郭がちょっともやもやしていたのですが,この前は見ることができなかったので満足でした。今回見るのは木星だったので,見えるようになるまで時間があり,周りの人と話をしていると,いろいろ下調べをしていることに気づきました。しとけばよかったぁーと思いました。望遠鏡はものすごく大きくて古く手動なので,ぶら下がっているロープを引っ張って動かします。待っている間,それをさせていただき,すごく重くて大きさを改めて実感できました。引っ張り方もあるとは思いますが,本当に重かったです。やっと暗くなりはじめて天文台の天窓を開けると明るく輝く星が1つはっきりと見えました。木星です。晴れてて本当によかったです。寒かったのですが,早く見たい気持ちが先で全然平気でした。順番が後の方だったので,回ってくるまではうずうずとしていて,やっと回ってきたときには「早よのぼる!」とか思ってヘルメットをかぶってずんずんと登っていったのですが,のぞき込むときは身を乗りださねばならなくて,下を見るとちょっと怖くて1回目は早々と降りてしまいました。登っている最中にいきなりパッと見える夜景と,近くなる夜空,冷たい空気はすごく良かったし,かんじんの木星もすごくキレイでした。縞模様もはっきりと見え,衛星のイオやガニメデも見えて,こんなに遠くのものを地球の望遠鏡でこんな風にみれることに深く感動しましたし,伝わってくる静けさや大きさを感じ見入ってしまいました。もう一度登ったときには落ち着いていて,雲のなくなったタイミングでのぞき込んで,大満足です。自分が研究者になったような気分にもなれました。
木星を見た時に驚いたことが2つあります。1つは木星の明るさです。太陽の反射であんなに光ることに,自分が宇宙を専攻しているのに恥ずかしい話ですが驚きました。もう1つはあんなに寒くて,私たちも冷え切っていて,天文台の屋根まで距離もあるというのに,人が3人いるだけで空気が暖められて屋根から立ち上り,空気が揺らぐことで条件が悪くなるということです。遠い宇宙を見るのはやはりいろんな細かいことさえも関わってくるんだなと思いました。このとき木星以外にもみんなで色々な星の話をできて,とても充実した時間を送ることができました。このような機会があればいいなぁと思います。