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「しつけの効果」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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過日の雲雀丘学園小学校の入学式で新入学児童の保護者の方々に「しつけの3大原則」の話をしました。1 朝の「おはようございます」の挨拶をする子に。それには親のほうから誘い水を出す。2 「ハイ」とはっきり返事のできる子に。それには女親が主人に呼ばれたら必ず「ハイ」と返事をすること。3 席を立ったら必ずイスを入れ履き物を脱いだら必ずそろえる子に、という内容でした。これは元慶応大学の塾長をされ今上天皇の教育係をされた故小泉信三氏の話されたことであり、子供の成長には親の姿勢や対応が大切であるとお話しさせていただきました。

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  学園南門近く                      トサミズキ

その後、小学校の成地副校長から指摘があり、教育学者の故森信三氏も同じことを言っていますとのことでした。調べてみるとその通りで森氏は「しつけの3原則」となっており、多方面で語られ、大きな影響を与えておられます。この「3原則」を教育方針にしている小学校もありました。お二人とも教育界においては著名な方ですが、私の話をお聞きになられた保護者の皆様には故森信三氏のことも補足しておきます。

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  校庭 大銀杏                      校庭 藤棚

さて「しつけ」についてですが「しつけ教育」はよくないといって反対される方もいらっしゃいます。戦前の悪いイメージと重なり、精神論と受け止められているのかもしれません。今世の中は「エビデンス」を求められます。効果効能を言うには科学的、客観的な裏付け、データが必要です。

神戸大学の西村教授は「しつけ」と所得や学歴との関係を調査しました。4つの基本的なモラル(嘘をついてはいけない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)を「しつけ」の一環として親から教わった人は、それらを全く教わらなかった人と比較すると年収が86万円高いという調査結果を発表しています。

現在、教育を経済学の視点から分析してみようという考え方が増加しつつあります。その第一人者が中室牧子さんという慶応大学の教育経済学の先生です。このたび学園小学校ではこの中室先生をお招きしお話を伺うことになりました。
「子供が小さいうちにお話を聞けて本当によかった。知らなかったらヤバかったわ」。
中室先生のお話をお聞きのお母さまにはこんな感想を漏らされる方もいます。この講演会は6月3日(日)、学園講堂で開催します。楽しみにしていただきたいと思います。(2018.4.19)