2018年07月12日

「人間力で勝利」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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西日本豪雨で亡くなられた方が157名、不明者56名(7/11現在)、テレビで映し出される惨状に唖然としてしまいます。懸命の復旧作業が続けられていますが、水不足や30度を超える暑さなど、捜索や被災者を取り巻く状況は過酷さを増しています。どうぞ1日も早い復旧がなされ、被災者の皆様に笑顔が戻り、心の平穏を取り戻されることをお祈り申し上げます。

さて県中学野球宝塚市大会で雲雀丘学園中学校野球部は7月9日に行われた長尾中学校との準決勝戦で惜しくも敗れ、3位に終わりました。久しぶりの快挙に心から健闘をたたえたいと思います。雲雀丘学園中学野球部のいいところはチームワークと最後まであきらめない精神力、そして3年生のリーダーシップです。

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中学野球部は、対外試合ではバスを使わず、最寄りの駅から球場までは2列になって歩きます。人や自転車と出会うと3年生の指示で1列になり通行に迷惑が掛からないように気を配ります。練習後のグランド整備や片付けなども3年生が率先、ベンチからの声掛けも3年生が一番元気だそうです。こうしてチームは一丸となって戦うことができるのです

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クラブ活動の目的は試合に勝つことではなくクラブ活動を通して、苦しい練習に耐え、友達と泣き、笑い、けんかし、試合に出られなくても縁の下の力持ちになれる人間力を養うことにあります。また人間力が高まってくれば自然と試合にも勝て、勉強もできるようになるものです。それには先生方の指導力によるところが極めて大きいのです。挨拶がしっかりでき、靴をそろえられるのは日ごろの先生方の地道な指導です。まさに生徒の行動は先生の鏡です。これは文科系のクラブも全く同じことです。

20180712-3.jpgこれから夏の対外試合が多くなりますが雲雀丘学園はたとえ試合では負けても人間力では相手に勝利してほしいと思っています。来週7/16(月・海の日)はいよいよ高校野球の初戦、対舞子高校戦が待っています。「勝利より人間力」と言っていながらおかしいのですが、何とか兵庫予選で2つは勝ってほしいと願っています。3勝とは申しません。

雲は湧き 光あふれて 天高く純白の球 今日ぞ飛ぶ (栄冠は君に輝く) 

(2018.7.12)


2018年07月05日

「甘かったということです」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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2019年大学卒業の就職試験は先月6月1日に企業の選考が解禁され、次々と採用内定者が決まっているようです。今年は売り手市場と言われていますがやはり有名企業への合格は難しくなかなか就職先が決まらない学生も多いと聞きます。

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 今日は小・中高は休業になりました        両幼稚園は休園になりました

6月の中頃でしたが一人の女子学生が学園に来ました。お礼のためということです。

実はこの学生は雲雀丘学園の卒業生で現在女子大学4年生、今年初めだったと思いますが中高の先生と一緒に私を訪ねてこられました。私がサントリーに勤務していたということで、就職のアドバイスをしてほしいとのことでした。私の経験も踏まえ企業の考え方、試験や面接での心構えなど先生のご意見も交えながら話しました。

「自信がつきました」と笑顔で帰りましたが、少し気になったのでもう一度学園に来てもらって再度お話をさせていただきました。入社試験対策というより、社会人としての生き方の話になったと記憶しています。

残念ながら、お礼で来られた女子学生は、中高の先生も同席のもと、サントリーには不合格になったと報告されました。他の会社に決めたそうです。それでも明るく丁寧にお礼を言われ「父親もお礼に行きたいと申しておりました」の言葉も添えられました。

長期の就職活動の感想を聞くと少し間をおいて「甘かったということです」と反省の弁。すべてこの言葉に集約されているように思いました。しかし私はこの就職活動を通じて女子学生はこれから生きるにあたっての最高の教訓を得たと思います。安住を求めて企業に入るのではありません。生きがい、働きがい、そして社会への貢献あっての会社勤めです。

50年近く前になりますが私たちが大学を卒業したころの花形の就職先は銀行でした。優秀な人が銀行に行ったのです。銀行というだけで信用と安定が得られたのです。しかし現在、当時の名前がそのまま残っている銀行は一行もありません。

生涯勉強。就職が到達点ではありません。これからがあなたの始まりです。あなたの会社を日本一にしてください。私は一消費者として貴社の商品を買うようにします。

(2018.7.5)


2018年06月26日

「前途、洋々たれ!」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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「雲雀丘学園の岡村校長先生ですね」と声をかけられたのは思いがけない場所でした。先週の日曜日、甲子園球場、阪神広島戦も中盤にさしかかり、今日も阪神は負けるのかという雰囲気が球場に漂い始めた頃でした。声の主は球場のスタンドの「売り子」さん(正式には立ち売りスタッフ)でした。

「どうして私を?」「雲雀丘学園の卒業生です」。
私が校長をしていたのは2年間でした。よく覚えていてくれたものです。声をかけてくれたものです。うれしくなって飲料やおつまみをたくさん買いました。
名前はFさん。今は外国語大学で英語の勉強をしているそうです。見るからに健康的、はつらつ、笑顔。一緒に観戦していた友人が「感じがいい、きれいだ、可愛い」を連発し何度も呼んでは注文するので周りも驚くほどの杯数となりました。

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私がサントリーにいたころ、東京ドームが大切なお取引先でしたので「売り子」さんのことも少しはわかるのですが、この仕事、なかなかの激務なのです。ビールの樽で販売するので20キロ近くを背負うことになります。そして急こう配のスタジアムを何度も昇り降りします。給料はほとんどが歩合で、「売り子」一人当たりの1日平均販売杯数は100杯ぐらいですが多い人になると300杯ぐらい売る人もいます。たくさん売るには驚くような秘密があります。

一樽を売り切ると1階にあるバックヤードの基地に駆け戻り、新しい樽を背負いなおしてただちに観客席に戻ります。東京ドームだとビールの4社が毎日の売り上げを競い合っているのでスタンドはまさに戦場の様相です。

「売り子」さんはここでの仕事を通していろいろなことを学びます。人間学、心理学、判断力、そして何よりも根性。人に好かれるコツのようなものも身につくのではないでしょうか。そんなわけで就職試験にも強いようです。「売り子」さんの中にはファンクラブができる人、やめるときにはお客様から花束のプレゼントをもらう人もいるとのことです。

声をかけてきてくれたFさん。あなたの前途、洋々たれ!と祈っています。

(2018.6.26)


2018年06月20日

「大阪北部地震の一日」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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週明けの6月18日、大阪北部地震が発生しました。大阪では過去最大級の地震でした。死者5名、負傷者は400名を超える大災害となりましたが、幸い雲雀丘学園は、けが人は一人もなく、また建物などにも大きな被害はありませんでした。地震発生を知るや懸命にそして的確に対応してくれた教職員や学園関係者の皆様のおかげだと思っています。誠にありがとう、またご苦労様でした。学園長としてお礼を申し上げます。

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 地震翌日元気に登校する児童、生徒

地震発生でほとんどの交通機関がストップ、ちょうど通勤通学時間と重なり交通機関には大きな影響が出ました。雲雀丘学園はほとんどの児童、生徒が阪急宝塚線、JR宝塚線を利用しますので特に大きな影響が出ました。地震発生時にはすでに登校しているもの、通学途上のもの、それも車中のもの、駅構内にいるもの、駅に向かっているものと様々な状況にあります。中高、小学校、幼稚園は適時保護者に情報を流し園児、児童、生徒の安全確保に努めました。とにかく安全第一。小学校は保護者に駅に出向いてもらい児童の安全の確認、確保のご協力もお願いしました。併せて教員も手分けして駅に駆け付け生徒の誘導に当たりました。また下校には保護者への児童の引き渡しを原則としましたのでマイカーでの迎えも多く教職員総出で運動場への車両の導入もしました。

午後6時過ぎになりましたが、小学校、中高とも学園でお預かりしていた最後の児童、生徒を保護者にお引渡しすることができました。全員で安堵の胸をなでおろした次第です。

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 乗客の方から送られてきた写真

余談になりますがJR宝塚線大阪行きの電車が地震で緊急停車をしました。ちょうど学園の南門の前あたりの位置でした。1時間余り立往生ののち、電車は線路上でしたが乗客の下車を認めたようです。次々と乗客が電車を降りはじめ、傍の道路に上って来られました。
この状況を見ていた学園の警備員の方が「よろしければ学園のトイレをお使いください」と声をかけました。ご婦人方を中心に多くの方がトイレを使われたようです。

この話は乗客の方から翌日、学園にお褒めの電話をいただきました。こんな話を聞くと大変長い一日でしたが疲れも心地よいものとなりました。

(2018.6.20)


2018年06月12日

「梅雨空記念日」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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曇り空、少し小雨もぱらついた6月12日の朝は、梅雨空のもと、記念すべき日になったかもしれません。小学校の児童会の役員が「挨拶運動」で、登校してくる児童や生徒に「おはようございます」の声をかけるのですが、今朝はその役員の中に、登校してくる1年生が一人二人と加わって長い列ができ、「おはようの合唱」が学園にとどろきました。自然発生。先生方も反対側に並んでニコニコ、さながら何かイベントを行っているような光景となりました。

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20180612-3.jpg実はこのような気配は数日前から感じておりました。1年生が自主的に挨拶の輪に入ってくるようになりました。今日はそれがピークになったようです。挨拶は楽しく面白いのです。そして笑顔と元気を生みます。周りとの連帯感も感じます。小さな時のこのような経験は子供たちに大きな心の栄養を与えるのではないでしょうか。


20180612-4.jpgもう一つ。今日6月12日はトランプ大統領と金委員長の歴史的な会談がシンガポールで行われます。そして今日午前、高校2年生は修学旅行でシンガポールに向かい午後5時10分にチャンギ空港に到着します。おそらく現地は興奮冷めやらぬ状況にあると思われます。その真っただ中に飛び込むのです。何と貴重な体験でしょうか。

実は高校2年生の修学旅行は昨年まで北海道に行っていたのですが、今年度からは行き先にシンガポールを加え生徒の選択制にしました。グローバル化の進展の中、特に東南アジアのダイナミズムを肌で感じてもらうことが大切であると考えました。もちろん北海道の大自然の中でファームステイし、環境問題を正面からとらえ、チャレンジ精神を培うことも重要であることに変わりはありません。

(2018.6.12)


2018年06月08日

「たゆまぬ改善」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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先日、トヨタの2018年3月期の決算発表がありました。売上高29兆円、純利益2兆5千億円と日本企業として過去最高額を達成したのですが、発表にあたった豊田章男社長は真剣な表情で「自動車産業は生死をかけた戦いが始まっている」と語りました。

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 シンボルツリー メタセコイア        小学校 楠

トヨタがこの巨大な売り上げと利益を上げる根源は、あくなき原価低減とトヨタ生産方式にあるといわれています。この好決算に表情を少しは緩めてもと思いますが、豊田章男社長はなおも「大変革の時代を『100年に一度の大チャンス』ととらえ一層の『原価低減』と『たゆまぬ改善』に取り組む」との決意を語りました。

事実私たちも「トヨタは乾いた雑巾も絞る」会社だと教えられてきました。生産現場に立つ人は歩く歩数を1歩でも少なくする工夫をすること、待つ時間を1秒でも少なくすることが「原価低減」につながるとして、ひとり一人が持ち場持ち場で「たゆまぬ改善」を続けました。

学校経営もよく似たところがあります。雲雀丘学園は「関西を代表する一流の学園を目指す」との目標を持っていますが、実はこの目標自体にはなんら推進力はないのです。というか役に立たないのです。大切なことはその目標を個々人がどう受け止めそれぞれの立場で何を実践するかにかかっているのです。

過日、小学校の運動会が開催されました。私は実に見ごたえのある充実したものだったと思っています。リレーは力強い迫力ある走りがありました。玉入れはユニークなダンスが加わり思わず笑みがこぼれ、組体操は竹棒を使うことで改善がなされていました。その他の演技でも多く改善(変化)が見受けられました。

ところが、逆説的になりますがこの改善はなくても運動会は楽しく進行し、終了したと思います。改善や変えるということはなくても不自由はない、進んでいく。ここに落とし穴があります。しかしやっておかないと知らないうちに会社や学校は確実に劣化し、いつの間にか取り返しがつかない事態になっているのです。

不断の変える努力がそれを評価する組織が生き延びていくためには必要不可欠だと思います。


(2018.6.8)


2018年05月31日

「今年の暑い夏が楽しみ」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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ここ数日、鬱陶しい天気が続きまるで梅雨入りしたかのようです。近畿地方の平年は6月7日頃、昨年は6月20日でしたので梅雨入りはもう少し先になるかもしれません。5月も中高は体育大会、中間試験が、小学校も先週は運動会があり、生徒、児童にとっては忙しい月になりましたが明日からははや6月になります。

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グリーンカーテンに備えるゴーヤ   トマト                 トマトの小さな実

学園長室の隣に小さな庭があり今年のゴールデンウィークにゴーヤとトマトの苗が植えられ元気よく育ってきました。ゴーヤはグリーンカーテン、トマトは真っ赤な果実をほおばるのが目的です。トマトは小さな実がなり始めました。このあと、ひまわりや朝顔が植えられる予定です。

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 向日葵                          あさがお

これら園芸の作業は事務局の職員を中心に仕事の合間を見てやっています。この庭は低学年の児童が登下校に通りますが、児童たちに喜んでもらうために、また日ごろの学習に少しでも役に立てばと職員や校務員さん、シルバーさんが色々と工夫されています。

庭には小さな池がありますが、この春ここには立派な浄水ポンプがつけられ、鳥除けの網もかけられました。おかげで水は気持ちよく透明に、魚も素早く泳ぎ、体も大きくなってきました。驚くことにこの改善の費用はゼロ。すべて皆さんの知恵と汗の結晶です。

児童たちは1番大きな金魚に「太郎」、ピンク色のきれいなのに「花子」と名付けました。近頃では「太郎」を先頭に隊列を組んで泳ぐようになり、人にも慣れ池に近づくと寄ってくるようになりました。

さらに力強い助っ人も現れました。中高の生物の先生です。今春、学園に赴任された「魚大好き人間」です。おかげで池の中の生物が多くなりました。児童たちと一緒になって魚を追っかけておられます。

これから暑い夏を迎えますが楽しみ一杯の夏になります。

(2018.5.31)


2018年05月25日

「挨拶の雲雀丘実践中!」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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朝のニュースで米朝首脳会談が中止になったとの報道がありました。学校のブログで政治的なことを書くのはよくないのかもしれませんが、私は最初から会談は行われないと思っていました。その理由はいたって簡単です。北朝鮮の完全即時非核化を目指すトランプ大統領と、核を失えば命も失う金委員長は絶対に相いれないからです。会談は「瓢箪から駒」、いわばはずみで予定されたものです。ここ2か月、二人を筆頭に世界が同床異夢を追い、騒いできただけです。

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  登校風景

青空が澄み切った今朝、学園は朝の登校時の挨拶から始まりました。主に生徒専用通路から学園に入ってくる生徒に声をかけていきます。中高は今日は中間試験の最終日、心なしか生徒の足取りも軽いようです。歩きながら勉強している生徒には「テスト最終日、頑張れ!」と声をかけます。毎日声をかけていると今まで反応がなかった生徒も挨拶を返してくれるようになります。こうなればしめたもの。また笑顔いっぱいに大きな声で返してくれる生徒もいます。こちらも元気をいただきます。おもわず「うれしい!ありがとう」。昨日はマスクを取って挨拶を返してきた生徒がいました。「よし、立派な社会人になれるぞ!。」

小学生は自分から大きな声で挨拶をしてきます。中には立ち止まってきちっと挨拶する児童もいます。小学校は「一礼挨拶」を徹底されているからです。最近はネイティブの先生も加わって、「グッドモーニング」の声も混じってきました。そしてハイタッチして楽しい一日がスタート。多くの先生方が出て、児童会や交通部の児童も出て、そして少し離れた中高の入口には中高の先生方が出て、まさに学園挙げて「挨拶の雲雀丘」を実践中。

今日はある会社の役員が教育のプログラムの提案で来校されました。挨拶もそこそこに「生徒さんが挨拶をしてくれました」と。もっともっと挨拶していきましょう。
(2018.5.25)


2018年05月24日

「グローバル時代の教育の課題」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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過日、新聞社主催の学校説明会で灘高校の和田校長と東京・開成高校の柳沢校長のお話を聞く機会がありました。ご承知のように両校とも日本を代表する中高一貫の名門校です。テーマは「AI/グローバル時代の子育て」でした。お二人は事前の打ち合わせはなかったのですが、講演に使われた最初のシートは偶然にも30年後の世界がどう変わっていくかの未来像でした。

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                               中庭の池で泳ぐ金魚

「競い合いから助け合いの世界」「内需が落ち込み目は海外に行く」「ICを駆使できるグローバリスト」「インターナショナルではなくグローバル」「多様な人との協働」「自分の考えに対してクリティカルシンキング」「在留外国人、在海外日本人の増加」などこれからの30年を占うキイワードがたくさん出ました。しかしこれらは30年を待たずともすでに始まっていることであり、10年内の変化だと思います。そしてそこにはこれからの日本が背負うべき多くの課題があります。

自分の子供は、人工知能やICT時代に生きていけるのかの心配もあります。しかし、新しい時代を我々の世代こそ心配しているが、今の子供たちはITネイティブと言われ、新しい時代を乗り越える力を持っているとの期待の話も聞かれました。

確かに大人自身がITについていけないので「大変だ、大変だ」と大騒ぎや過度の心配をしていることはあると思います。しかし、当学園のプログラミング教室を見ても小さな園児や児童が喜々としてロボットを組み立て動かしています。楽観はできませんがしっかり準備していくことで新しい時代に備えたいと思います。

むしろ心配なのは、これからの子供たちは、日本や海外で外国人に交じって仕事をしていくわけですが、対抗していくだけの気構えがあるかということです。開成の柳沢校長は日本の子供たちの自己肯定感や自信は欧米や中国、韓国の子供たちと比べて極めて低い。これを正さないと伍して戦うことはできない。そしてその原因は大人たちの自信のなさにある、まさに「子は親の鏡」と話しました。私は親にすべて責任があると思っていません。戦後の教育が大きく影響を及ぼしたと考えています。

子どもたちの人間的な成長には中等教育(中学・高校)が極めて需要との指摘もありました。
大学に行くと専門性が高まり人間教育が相対的に難しいとの声もあるようです。雲雀丘学園も中等教育を預かる学園として「心の教育」をしっかりやっていかねばと思います。また上述の自己肯定感ですが年齢別の変化をみると、13才から29歳まで4歳ごとに数値が出ていますが、20才から24才の期間が一番低くなっています。実はこの年代で大学を出て就職します。自己肯定感の最も低い時に社会にでていくことは誠に残念と言わざるを得ません。
(2018.5.24)


2018年05月11日

「応援の姿勢が評価された」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
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NHK大河ドラマ「西郷どん」で登場する井伊直弼は少し悪く描かれているように思います。確かに安政の大獄や桜田門外の変などで知られる弾圧者としてのイメージが強いのですが、鎖国を開国に導いた功労者として評価もあります。最近ではむしろ後者の評価が高まってきており、滋賀県出身の私としてはうれしく思っています。

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  陽光いっぱいメタセコイア

さて3/30の「学園長便り」(年度末、天気晴朗なり)で私の母校、県立彦根東高等学校が春の選抜高校野球でうれしくも初戦に勝利し、歓喜爆発の気持ちをお伝えしました。残念ながら3回戦で花巻東に敗れるのですが、この試合も母校彦根東はあわや9回ノーヒットノーランかの大金星を前にしての誠に残念な敗退でした。

今回の「学園長便り」は、勝利の歓喜いまださめやらずをお伝えするものではありません。実はセンバツの閉会式で母校は最優秀応援団賞に選ばれたのです。井伊家藩校の流れをくむ彦根東の応援は「井伊の赤備え」にちなんでスタンドを赤一色に染め全員が一体となって応援を繰り広げます。帽子、シャツ、タオルからメガホンまですべて赤、それは見事なのですが講評では、応援の姿勢が評価されたのです。入退場がスムーズ、直ちに片付け清掃、相手の勝利の校歌を全員が直立静止して聞いたことなどによるものです。

私はこの受賞は何にも代えがたい価値ある1勝だと思いました。私が彦根東に入学したとき言われたことは二つ、「紳士淑女たれ」と「赤鬼魂」でした。「赤鬼魂」は井伊家は徳川四天王の筆頭として戦争では常に先陣を切って駆け抜け、勇猛果敢に戦い、敵は井伊の「赤備え」を見ただけで退散するというものでした。今回の受賞で彦根東の生徒は一層、母校への誇り、自覚、責任が高まったのではないでしょうか。

雲雀丘学園の建学の精神は「孝道」、「親孝行な人はどんなことでも立派にできます」です。そして「やってみなはれ」精神。こちらは社会で生きていくための必要条件。
この二つを学園を挙げて実践していくことで生徒に成長と自覚を促し、世の中に貢献できる人材を送り出せるものと思っています。
(2018.5.11)