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ノーベル文学賞

 昨夜、今年のノーベル文学賞が発表されました。授賞したのは日本生まれの英国人作家 カズオ・イシグロさんです。
 選考委員会は「カズオ・イシグロ氏の力強い感情の小説は、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした」と評価しています。
 英国に帰化されているとはいえ、やはり日本にもうれしいニュースです。

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   授賞のニュースをきき、早速お昼休みにかりに来た人もいました。

 長崎で生まれ、5歳の時に日本人の両親とともにイギリスに移住、現地の大学で英文学などを学び、日本に戻ることなくイギリス国籍を取得。簡単な日本語しか話せないそうで小説もすべて英語で発表しています。
 それでも日本には特別な思いがあって、来日時のインタビューでは「街を歩いても食事をしても、幼いころにいた日本の記憶がよみがえってくるようでほかの国に行くのとは全く違った感じです」と話しています。

 イシグロさんは、1982年に作家としてデビュー。
 「遠い山なみの光」「浮世の画家」といった日本を舞台に日本人が主人公の作品や、幼い頃に両親が失踪し孤児としてロンドンで育った青年が探偵となり両親を探す姿を描いた「私が孤児だったころ」
 臓器移植の提供者となるためにクローン技術で生まれた若者たちが、運命を受け入れながらも生き続けたいと願う姿を描いた「わたしを離さないで」 この作品は映画化、舞台化され、綾瀬はるかさん主演のTVドラマにもなり見た人も多いと思います。

 今回の受賞後のインタビューでは「世界が不安定な状況の中で、小さな形でも平和に貢献できればうれしい」と話されています。