中学・高等学校の挑戦 ~⑦国際科のDNAを引き継ぐ
今後、日本における国際化が第三段階に入ると、人・モノ・金・技術等の経営資源がますます国を超えて自由に移動するようになります。この中で特に重要なのは「人材の国際化」であり、今後グローバル人材の育成が急務となってきます。かつてのグローバル人材と言えば、海外関係の仕事を担当している特殊な人という印象がありましたが、これからはビジネスをはじめあらゆる分野においてグローバルな視点が必要になってくるのです。また一部には国際化=語学力という誤った認識があったのは否めませんが、語学はIT(情報技術)と同様あくまで一つのスキルに過ぎません。語学力だけで今後のグローバル社会を乗り切っていくことはできないのです。わかりやすく言えば、日本人全員が彼我の文化・宗教・歴史観の違いを理解しながら幅広い視野を持って考える力を持たなければなりません。
これからの社会においては、まさに本校の国際科設置の理念である〝グローバルな視野と豊かな心を持った国際人の養成〟が求められているのです。
今回のコース制導入にあたっての考え方は、国際科の募集を停止するという
消極的な取り組みではなく、新しく導入するすべてのコースの中に国際科の基本的な思想やこれまで培ってきた国際科のノウハウを取り入れることなのです。
ホームステイをしながらニュージーランドの国立ワイカト大学語学研修センターでの比較文化研修の授業を受け、リスニングやスピーキングの能力伸長をはかる『ニュージーランド比較文化研修』をはじめ、『オーストラリア・ニュージーランドの高校への海外留学』『海外からの留学生の受け入れ』『ネイティブ・スピーカーによる生きた英会話の授業』等については、基本的に引き継いでいきたいと考えています。言い換えると今回の変更は新しいコースの中に国際科のDNAを引き継ぐという積極的な考え方なのです。