なせばなる
人間であれば誰でも「充実した人生を送りたい」「成功したい」と思うのは当然ですが、何も努力せずじっとしていては、いつまで経っても夢はかないません。現在、スポーツ、文化、芸術、政治、経済、医学といったさまざまな分野で活躍している人は数多くいますが、これらの人達から直接今日までの経緯をお伺いしたり、自叙伝を読み返してみると必ずしも順風満帆であったわけではありません。むしろ失敗の連続であり、これらを乗り越えてやっと成功したということがわかります。まさに〝今成功している人はこれまで最も失敗の多かった人〟と言っても間違いはありません。
松下電器の創業者である松下幸之助氏はよく周囲の人に「僕には失敗がない。何故なら成功するまでやり続けるからだ。」と言っていました。またある時に
代理店の社長が「商売がうまくいかない。儲からない」と嘆くのを聞いて「あなたは血の小便をしたことがありますか。それまで真剣に商いをしているのですか。」と答えたそうです。これを聞いた代理店の社長は言われるほどの努力をしていない自分自身を恥ずかしく思い必死になって働き立派に会社を立て直したとのことです。
もうひとつ、「一%の才能と九十九パーセントの発汗」で有名な努力の人であるエジソンのエピソードについて紹介します。彼が発明したものの中で白熱電球は人類への貢献度が非常に高い発明品のひとつですが、彼はこの発明を完成するまでに万をはるかに超す失敗をしたと言われています。白熱電球の完成のための最大の難関はフィラメントでしたが、これに最適の物質を探し出すために世界中から集めた数千にものぼる物質を試し、ついに日本の京都でとれる竹を使用することで白熱電球を完成させたのです。
何事も途中で諦めてしまえば失敗で終わってしまいます。〝なせばなる〟という強い気持ちを持ち続けていくことが大切であると思っています。