あきらめさせない指導
10月初めより、先生方との個別面談を続けていますが、その中でよく聞く悩みは大きく分けると、繁忙からくる疲労感と生徒の意欲低下への対応ということになります。この二つは全く別の問題ではなく、互いに密接な関係があります。自分がやっていることの成果がはっきりと目に見える形になってくれば大きな達成感が得られます。そうすればいくら課題があっても、更に新たなチャレンジに向けて取り組もうという姿勢が生まれてくるものです。
生徒の意欲の低下という現象は、本校だけの問題ではありません。また、これは学校だけの問題ではなく、一般社会においても同様のことが起こっているのです。進路環境研究会が全国の先生方に対して行なった「最近の生徒の特徴として問題だと思うことは何か」というアンケート調査によると次のことがあげられています。
(1)計画的な学習ができる生徒はきわめて少ない。勉強の仕方を一から指導しなければいけない。
(2)受身な姿勢が目立ち、やれと言われたことはやるがそれ以上のことには取り組めない。
(3)やりたいことがわからない、またわかっていても行動に結びついていかない。
(4)周囲に言われたからやるといった自意識の低下が目立つ。
(5)こだわりがなく、すぐに諦める、安易に志望を下げる傾向が強い。
(6)全体指導では話が伝わらず、まるで他人事のように聞き流す。
このように今、全国にあるすべての学校の先生方にとって〝あきらめさせない指導〟を徹底していくことは共通の課題なのです。
しかし、これらの課題を羅列していくだけでは物事は解決しません。また、個々の先生の努力だけに頼っているだけでは限界があります。
これから学校全体の仕組みやシステムを変えることと教職員の能力を高めていくための具体策を検討していかなければならないと思っています。