入社後の離職
厚生労働省が発表した2005年春に大学を卒業し就職した人の退職率については少なからず衝撃を受けた人が多かったのではないかと思います。その率は何と15%、約6人に1人が入社後わずか1年で退職しているのです。また、今年の就職内定者に対する企業の説明会に無断で欠席する学生も数多く見られ、無責任な行動や就職への関心の低さが指摘されています。
私は社会の動きを把握するため、時間を見つけてできるだけ企業の方との情報交換をするようにしていますが、「最近の若者は少し気に入らないことがあるとすぐに退職してしまう。我慢することができなくなってきた。」と嘆いておられます。また、入社後3年で4人に1人が退職するという別のデータもありますし、潜在的な転職希望者を加えるといかに現在の自分の仕事に対してやりがいを感じていない人が多いかがわかります。どのような仕事にも困難や苦労はつきものですが、これらを避けるのではなく克服することにより次第に興味が湧いてくるものです。
「学校は将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場」と位置づけるなら、学力の伸長は当然のこととして、キャリア教育の充実と共に忍耐力を身につけさせることが重要になってきますが、今後、これらの課題に果敢に挑戦していかなければと思っています。
高校三年生にとってはまさに大学受験の正念場、高校二年生も志望校を絞り込む段階、また中学三年生も高校受験が迫ってきました。それぞれの学年の生徒達が目先のことだけにとらわれることなく、将来のことを視野に入れて積極的な学校生活を送って欲しいものです。