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荘川桜の苗木

 先日、山手地区の清掃活動に参加した際、「雲雀丘山手緑化推進委員会」様からいただいた荘川桜の苗木をいただきました。この苗木は由緒ある荘川桜の実生から育てた二世桜です。
 荘川桜は、作家水上勉氏の小説「櫻守*」のモチーフになったことで知られていますが、1960年岐阜県北部の御母衣(みぼろ)ダム**建設によって湖底に沈む運命にあった照蓮寺と光輪寺の庭にあった樹齢400余年の老木を時の電源開発株式会社の初代総裁である高碕達之助氏が、「ふるさとを失う人々の心のよすがに、何とかこの桜だけでも救えないか」との思いから、当時の桜研究家の権威で「桜男」とも称された笹部新太郎博士に依頼して大移植を果たしたものです。さすがの笹部氏もこの老桜を救うのは至難の業であるということで当初は固辞されたようですが、高碕氏の熱意に押されてこの難事業を引き受け見事、移植に成功されたとのことです。
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(高崎記念館の荘川桜 10月撮影)
 笹部博士も高碕氏も雲雀丘地区と縁(ゆかり)のある方であったことから、2003年にその苗木を本校が地域清掃に参加させていただいている雲雀丘山手地区の緑化推進委員会のメンバーの手によって雲雀丘山手公園に植樹されました。そしてその由緒ある二世桜が今年見事に開花したのです。
電源開発株式会社では多くの苗木を育てて荘川桜の命を伝える運動を推進されてきていますが、今年の開花を機に緑化推進委員会ではこの運動の輪を広げていこうという取り組みを開始されました。この度本校に寄贈していただいたのはこの中の苗木の1本です。
 この桜には永い歴史を生き抜いてきた荘川桜の命が伝承されています。この命をしっかりと守り立派な大木に育てていくために年明けに関係の生徒達の手で植樹を行ないたいと思っています。