新しい学校づくりへの挑戦~②校長の役割
現在、あらゆる分野でさまざまな経営活動が推進されてきていますが、同じ業界でも大きな格差が生じてきています。これらをつぶさに調べてみると、経営がうまくいっているところは、概してひとつの目標に向かってそれぞれの仕事が繋がり協力体制が築かれています。逆に、いくら優秀な人材が揃っていても、個人がバラバラで動いているのでは良い成果には結びついていません。このことは、円滑な経営のためには〝個人から組織で動く〟ということが重要になるということを示唆しています。
一方、学校においては、あまりにも個々の教職員の力に頼りすぎている傾向があるように思います。また、前年踏襲型の学校運営を続けているため、各人が問題を感じていてもそれを学校全体の問題として解決していくことがなかなかできないようです。
このためには、現状をしっかり把握した上で、課題を共有化し学校全体のレベルに引き上げることによって、これまでの仕組みやシステムを変えていくことが大切です。
私も本校に赴任して間もなく一年になりますが、校長の仕事には、卒業式・入学式・修学旅行・体育大会・文化祭といった学校行事、学校説明会等の広報活動、入学試験、生徒に対する生活指導、面談指導、PTA・保護者との対応、地域交流、授業見学、教職員との面談、来客の応接、原稿作成や講演等、正直なところ、これらをこなしていくだけでも相当な時間が必要です。
そのため、一年が終わって振り返ると「毎日が本当に忙しかった」という感想だけが残ることになり、学校経営という視点での取り組みが二の次になってしまいます。結果的に、現行のやり方をそのまま踏襲するということになり、これが毎年繰り返されると、学校改革は一向に進まないということになります。
しかし、今学校を取り巻く環境も大きく変わり、教育をめぐる課題も山積しており、まさに新しい学校づくりが求められています。そのためには学校のトップである校長が強いリーダーシップを発揮していかなければなりません。
日々の仕事に忙殺されているだけではなく、教育の充実のための学校改革を進め経営の枠組みをつくるという気持で取り組んでいきたいと思っています。