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伝統の漢字100問テスト

 5月21日(月)、早朝の登校指導に行くといつもの場所に先生や生徒会の生徒の姿が見えません。一瞬、時間を間違えたのかなと思いましたが、すぐに今日は1時限目から漢字テストが実施されるということを思い出しました。
 そのため、登校指導は最後まで生徒指導部長と私の2人で行ないましたが、漢字の本を見たり、自分自身で作ったメモを片手に確認したり、お互いに質問したりしながら、登校してくる生徒が数多くいました。明らかに通常の小テストとは違う生徒達の姿に接し、漢字テストに臨む並々ならぬ意気込みが感じられました。
 本校では、国語科が中心となって、この時期に漢字能力の向上のために全校一斉の漢字100問テストを実施してきていますが、いつから続けているのかを確認したところ、恐らく学校創設以来続いている伝統の取り組みであるという答えが返ってきました。このテストの内容は、各学年に配付されている漢字のテキストから、あらかじめ範囲が提示され、100問100点のテストを実施するというものです。以前は、学期に1度で、年間3回実施していましたが、日本漢字能力検定協会による「漢字検定」が実施されることに伴い、本校でもこれを受検するようになって、学校でのテストは年1回になりました。
しかし、このテストは単に1回受ければ良いということではなくて、各学年で合格点が明示され、不合格者は追試験となります。学年によっては合格するまで、10回以上の追試験が実施されることもあり、生徒達は真面目に取り組まざるを得ない状況です。そして、テスト点は、成績表に記入され保護者にも連絡されることになっています。
 漢字の総数は厳密に数えておよそ5万字だそうです。現在日本では、旧字体を新字体に改め、その中でも日常使う「常用漢字」が一般的な漢字として扱われています。昭和56年に政府が定めた常用漢字は1945字、このうち小学校1年生から6年生までの間に学習すべき学習漢字(教育漢字)は1006字です。
学習指導要領では、中学校3年までに小学校での学習漢字1006字を含む常用漢字1945字のすべてを習得し、中学校を卒業した段階で常用漢字の読み書きができるようにするということが示されています。
近年、いたるところで国語力の低下が叫ばれていますが、これを防ぐにはまず基本的な読み書きの力をつけることが大切です。
今回の漢字100問テストや漢字検定を生徒達が前向きにとらえることにより、国語力の基礎となる漢字をしっかりと覚えて欲しいと思っています。