« 中学改革について~⑦社会が求める人材(Ⅰ) | メイン | 百舌鳥化工会定時総会に出席して »

中学改革について~⑧社会が求める人材(Ⅱ)

 これからの社会が求めているのはどのような人材なのかを知るためには、時代のトレンドをしっかりと把握することが大切です。これからの時代には従来の枠組みや仕組みを再構築することが不可欠ですが、これらを実現するためには、高度成長時代に社会が必要としていた〝指示されたことを正確にやり遂げる〟という能力だけでは不十分です。数年前に、関西経済同友会が会員企業を対象に求められるビジネス・スキル(能力)を調査しました。
 この結果によると1位から10位までは次のとおりです。
  1位・・・問題を発見する力
  2位・・・論理的に考える力
  3位・・・行動力・実行力
  4位・・・語学力
  5位・・・知的好奇心
  6位・・・変化に対応する力
  7位・・・自己表現力
  8位・・・情報収集力
  9位・・・コンピューター活用能力
 10位・・・交渉能力
 この中のトップは問題発見能力です。現在、日本の学校教育では自ら問題をつくるということはほとんどなく、与えられた問題をいかに解くかという能力が重視されており、答えは一つで○か×しかありません。言い換えるとこの能力が高いか低いかで評価が決まるというシステムが永年かかって作り上げられてきました。
 しかし、社会ではこれが正答といったものがありません。つまり答えは一つではなく色々あるということです。更に何が問題なのかを見つけ出す力、突き詰めていくと問題をつくる力が要請されるのです。
 今の学校教育において、与えられた問題を解くことに慣れきっている生徒達には自ら問題を発見し、自ら解決していくという力が十分備わっているとは言えません。
 このような反省に立って、今回の中学改革においては、極力一方的に与えるのではなく、創造性豊かな人材を育てる教育カリキュラムを導入していきたいと考えています。