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百舌鳥化工会定時総会に出席して

 6月9日(土)、大阪府立大学を訪問し、化学工学科の定時総会に出席しました。国公立大学も独立法人化され、現在多くの大学で独自の改革が進められていますが、同学科についてもさまざまな取り組みが行なわれています。その一つは『平成20年度JABEE認定』を目指しての取り組みです。耳慣れない言葉ですが、JABEEとはJapan Accreditation Board for Engineering Educationの略で、「日本技術者教育認定機構」と訳されています。
 これは、技術系学協会と連携しながら技術教育プログラムの認定・審査を行なう非政府団体であり、大学や高専の工学教育が妥当なレベルにあるかどうかを審査・認定することになっています。JABEEが教育機関に求めているのは、どのような人材を卒業させるかという成果の重視、学習・教育目標の公開、国際的同等性の確保、システムの構築、試験問題・試験結果・論文・作品などの明示等ですが、説明をお聞きし、大学改革に真正面から取り組んでいこうという強い姿勢が感じられました。
 興味深かったのは、目標設定(P)→実施(D)→点検・評価(C)→改善(A)という継続的なシステムの枠組みが構築されていることです。化学工学科教育委員会、教室会議、学生支援委員会、カリキュラム委員会、教育貢献度評価委員会、外部評価委員会、点検評価委員会、FD委員会が連携された『教育改善システム』は、大学だけではなくすべての校種の学校にも参考になるように思いました。
また、大阪府立大学では、平成20年度全国の国公立大学のトップを切って、海洋システム工学科、電子物理工学科、知能情報学科、電気情報システム工学科、化学工学科の5学科においてAO(アドミッション・オフィス)入試が実施されます。基礎学力と意欲・適性・人物を多角的に評価する選抜試験を比較的早い時期(8月)に実施し、半年間の充実した入学前教育等をめざそうとしています。
 その後、私から中学や高校の教育現場の状況について話をし、懇親会でも多くの方と情報交換させていただきましたが、「高校からの要望があればいつでも出かけていきます。」という力強い言葉をいただきました。
 従来、閉鎖的な色彩の強かった大学においても、さまざまな改革が行なわれており、まさに開かれた学校づくりが進められていることを実感しました。