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松原教授をお迎えして

  7月17日(火)、大阪大学名誉教授である松原央氏をお迎えして、高校1年生を対象に「分子の進化」と題する講演をお願いしました。この講演は将来の大学進学を目指す生徒達に、大学の研究の一端や科学の奥深さを理解してもらうことを狙いとしています。
  同氏は「タンパク質の構造入門」や「蛋白質に残る生物進化の足跡」「生物進化と分子進化」等数々の研究成果を発表されています。
  本日の講演では、これまで自らが研究されてきた体験をまじえ、生命の誕生から今日に至るまでの生物の変遷という幅広い内容をスライドにより詳細にお話いただきました。お話の要旨は次の通りです。
地球上には“種”に分けると110を超える生物が存在している。地球の誕生は45~6億年前だが、その後10億年経って生命が生まれた。チャールズ・ダーウィンは5~6年かけて世界を回り、特にガラパゴス諸島の生物をつぶさに観察することにより、強いものが生き残るのではなく、環境の変化に対応できるものが生き残るという「種の起源」を著した。その後多くの研究が進み、生物の系統樹が作成されるようになってきた。幾多の変遷を経て魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類が誕生し、現在に至っているが、生物の細胞を取り出すと種によってタンパク質のアミノ酸の配列が変わっており、この配列が類似していると近い種であるということが解る。これらの配列を調べることによって分子の分岐が明らかになり、系統図を描くことによって、それぞれの生物が進んできた道を数的に表すことができる。
そして、「今地球環境が破壊され絶滅種が増え続けているが、一旦絶滅種に指定されるとなかなか元には戻れないものである。何よりも自然を大切にするという気持を持って欲しい。」という言葉で締めくくられました。
  専門的な内容が数多く含まれており、生徒達にとっては初めて見聞きする言葉もあったようですが、恐竜の卵の化石を見せていただく等興味深い講演になったのではないかと思っています。
  お忙しい中にもかかわらず、お越しいただいた松原教授に心からお礼を申し上げます。
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