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日本の競争力を考える~IMD調査より

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  国際競争力ランキングについては、IMD(スイスのビジネス・スクール)とWEF(世界経済フォーラム)の二つが有名ですが、IMDが本年5月10日に発表した『2007年度の国際競争力ランキング』はわが国にとっては衝撃的な結果になりました。これは世界55の国を対象に「マクロ経済」「政府の効率化」「ビジネスの効率化」「インフラ整備」の4分野314項目にわたり、毎年調査を行ない『世界競争年鑑』として公表しているものです。これによると日本は2006年の16位から24位と大幅に低下し、中国(18位⇒15位)やドイツ(25位⇒16位)、台湾(17位⇒18位)、ニュージーランド(21位⇒19位)、イギリス(=20位)にも抜かれてしまいました。1996年には4位、1992年には1位であったことを考えると、この10年間はまさに失われた期間であったと言っても過言ではありません。この中では、「日本は老化を自覚して気力を失った中年の危機」であると揶揄され、特に政府の効率性に関する調査項目のうち、法人税率の55位、政府債務の54位などで大いに足を引っ張っているという結果になっています。
  この最も大きな原因は、一口で言うと日本の閉鎖性であり、グローバル化への対応遅れなのです。1990年代はいずれの国も多かれ少なかれ閉鎖的な状況下にありましたが、1995年のWTO(世界貿易機関)の設立以降世界各国はグローバル化に向けて急速な政策転換をはかってきました。これに対して日本は順調な製造業を中心とした輸出拡大を背景に、個人や企業の自助努力の意欲を奪ってしまったのです。そして、ますます政府への依存度を高め閉鎖性という厚い壁に守られ豊かさを享受してきたのです。このことが今大きなツケとなって、今わが国に重くのしかかってきているということを謙虚に反省し、新しい思い切った取り組みをスタートさせなければならないと思っています。