日本の食を考える~膨大なフードマイレージ
航空会社には飛行距離を蓄えるマイレージカードがありますが、今『フードマイレージ』という言葉が注目を集めています。これは食料の輸入量と輸入相手国との距離を乗じた数字ですが、日本のフードマイレージは年間9000億トン・キロメートルと世界で最も高いのです。端的に言えば多くの食料を日本から遠く離れた国から輸入しているのです。我々が考えなければならないのは、当然のことながら輸送する飛行機や船やトラックは燃料を使用するため、大量のCO2を発生させているという現実です。地球の温暖化が国際的な問題となる中で、日本はクールビズ等の努力を始めていますが、輸入小麦で作られる食パン一斤でクールビズ2日分のCO2削減量が台なしになると言われています。このままでは、折角省エネについての先進技術を有し、環境先進国としてリードしていこうとしても世界中から非難されることになりかねません。参考までにフードマイレージの第2・3位の韓国、アメリカは日本のほぼ3分の1、第4・5位のイギリス、ドイツは2割に過ぎません。
昨今、世界規模で食料の争奪戦が起こっており、これまでのように安価な食材を確保することは年々難しくなってきています。当面は持ちこたえることはできると思いますが、長期的には海外依存度を下げていくことが必要になります。
こういう現実の姿を直視し、これまでの食生活を見直していかなければ我々日本人の食卓が大変な状況に陥るのは間違いないでしょう。まず身近なやれることから始めていきたいものです。