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日本の食を考える~大豆食品への影響~

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  わが国は中国と並んで世界でも有数の大豆消費国であり、スーパーの食品売り場には、豆腐・味噌・納豆など、多くの大豆商品が並んでいます。
これらの商品は、ほとんどが国内で作られているため、材料である大豆も国産であると思いがちですが、実はそうではありません。
  大豆の年間消費量は約100万tですが、そのうち4分の3は海外に依存しており、主な輸入先はアメリカ・ブラジル・カナダ・中国となっていますが、この大豆にもバイオエタノール増産の影響が出始めているのです。つまりトウモロコシの増産に伴う大豆の耕作面積の減少 → 大豆生産量と在庫の減少 → 大豆の価格高騰という流れです。
 参考までに大豆消費の内訳を見ると、豆腐54%、味噌16%、納豆14%と主要3食品で全体の84%となっています。これまでわが国では、主食である米飯に合わせて大豆をさまざまな形の食品に加工してきました。大豆の若葉は“もやし” 芽が伸びると“えだ豆” 大きく育つと“大豆”ということになりますが、もやしと大豆は全く別のものだと思っている人も多いようです。大豆を絞ると“大豆油” 砕いて絞ると“豆乳” 豆乳ににがりを加えて固めると“豆腐” 豆乳を暖めて固める時 表面にできる膜をすくうと“ゆば” 豆腐を凍らせて解凍し乾かすと“凍り豆腐” 焼くと“焼き豆腐” 油で揚げると“厚揚げ” 挽いて粉にすると“黄粉” また、絞りカスは“おから”と実に多種にわたっています。
  このように大豆食品には日本人の智恵がぎっしり詰まっているのです。
以前、水田のまわりの畑には、このように隙間なく大豆が植えられていましたが、今ではこのような光景はほとんど見られなくなりました。
  これを機に今一度、食卓に並ぶ大豆食品を見直してみたいものです。