養護教員研修会に参加して
8月17日(金)、兵庫県私学総連合会、私立学校養護教員研究会主催の夏季研修会が開催されました。兵庫県の私学においては各校の校長が色々な研究会の担当を分担することになっており、養護教員研究会の会長として参加しました。長期休業中ということもありましたが、44名の養護教員が出席し、昼食をはさんで二つの講演に熱心に耳を傾けました。
午前中は、ATAアレクサンダー・アソシエイツの教師養成コースの講師をされている磯村恵子先生に『習慣に気づく』というテーマで実技を交えてお話いただきました。同氏は1980年に沖ヨガを学び始め、その後アレクサンダー・テクニークの技法を取り入れたアレクサンダー・ヨガを指導しておられます。この技法はオーストラリアのタスマニア島出身のアレクサンダー氏が自らの体験に基づいて創案されたもので、キイワードは“プライマリー・コントロール(初源的協調作用)”です。我々人間には「歩く」「座る」「話す」等の一般的な日常動作の中で、必要以上に不自然な状態に傾いている習慣があるようです。その習慣に気づき自分に適した動きを見つけ出すことにより,随分気持が安らぐようになるとのことです。実際に先生に指導いただき姿勢を整えて首を回すと不思議なくらい楽に回すことができました。このトレーニングを積むことによって周りの空間が広がり、今まで見えていなかったものが見えだしてくるようです。
午後からは、園田学園女子大学人間健康学部総合健康学科の林照子先生に『近年のわが国の養護教諭の養成の動向について』というテーマでお話をいただきました。これまで養護教諭の養成に関してはさまざまな変遷がありますが、昨今、子どもの精神面・肉体面の健康問題は実に多様化してきています。これに対応するためには養護教諭に求められる資質や能力も大きく変わってきています。現在は2005年9月に「日本養護教諭養成大学協議会」が設立され、養護をつかさどる教育職員としての独自性・専門性の確立、養護の専門性に立脚した養成教育内容の検討、大学設置基準の見直しに向けた養成制度の検討等が行なわれています。また、大学教育と教育現場での実地教育との接点としての「養護実習」の検討もなされているようです。
今回はまる一日にわたる研修会でしたが、若い参加者も多く単に講義を聴くだけではなくお互いに交流を深めている姿が印象的でした。色々な点で刺激になったのではないかと思っています。今後とも研鑽を続けていって欲しいものです。
講演いただいた磯村先生、林先生に対し心からお礼を申し上げます。