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BRICsが世界に与える影響

BRICsの国旗

  高度な発展を遂げるBRICsですが、丁度近代の日本もそうであったように、成長の過程で色々な問題が発生します。特に世界的に大きく影響を及ぼす、と懸念されていることがいくつかあります。多少前回までのお話と重複するところもありますが、改めて見ていくことにします。
  大きな問題のひとつとして、金融の混乱が懸念されています。近年大きな経済政策転換を行ない、ある意味ではまだ新しいとも言えるBRICs各国の金融システム自体が、急激すぎる経済成長とその変化についていけないのではないか、為替の変動や流動的な投機に対し今後対応してゆけるのか、世界経済全体を巻き込む混乱に陥りかねない、とも言われています。
  次に、環境の問題です。とりわけ近年世界的に大きな課題となっているCO2の増大による地球温暖化についてです。現在既にBRICs4ヶ国だけで、世界のCO2総排出量の30%以上をも占めると言われています。しかもロシアを除く3ヶ国は京都議定書の対象外であり、今後の産業の伸びを考えると際限なく増えていくことが予想されます。他にも産業が発展すれば切り離せない、排水や産業廃棄物の問題など多々ありますが、各国とも経済発展を重視する反面、法整備は比較的遅れており、またそういった企業が税収源であることから上手く機能しないことがある、というのが実情のようです。
  そして、これまで何度もお話ししている、エネルギーの問題です。これらの国々がますます経済発展することによって、各家庭も豊かになり、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などの家電製品が普及し、自家用車を持つようになるでしょう。つまり工業用のみならず、家庭用の消費も増えることになり、ますます電力や石油、即ちエネルギーを消費することになります。その結果、世界的な規模でエネルギー不足が深刻になり、資源の分配をめぐって国際的な摩擦が生じる恐れがあります。
  近年の石油の値上がりが深刻な影響を与えていますが、エネルギーのほとんどを輸入に頼っているわが国は特に影響を受け、今から10年後、20年後には、こういった問題が今よりもっと多岐にそして深刻になってくるのは間違いありません。この他にも食糧、水、レアメタルをはじめとする資源についても、大きな問題がありますが、別途紹介していきたいと思います。