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久保田 宏明先生のお話をお聞きして

  11月20日(火)、エデュケーショナルネットワーク主催のイー・スタッフフォーラムにおいて穎明館中学・高等学校校長の久保田 宏明先生に『本当の学校改革とは~これからの私学に求められるもの~』というテーマで講演していただきました。久保田先生は、早稲田大学文学部卒業後、北海道において教職に就かれ、北海道教育庁で、高等学校課長、学校教育部長を歴任され、バンコク日本人学校の校長、駒場東邦中学・高等学校校長を経て1998年から現職についておられます。
  本日は約1時間40分にわたり、現在の日本がかかえる教育の課題から、同氏が校長をされている穎明館中学・高等学校における具体的な取り組みにいたるまで、実に広範囲にわたってお話いただきました。
  最初に「第三者機関による学校評価」や「教員免許更新制」等について触れられ、本当にこのようなことだけで現場である学校が活性化するかどうかは疑問である。あくまで、生徒の視点に立って教育のレベルアップをはかっていくべきである。学校改革という名のもとに生徒と教師の距離が離れていかないようにしなければならない。また、教育委員会に私学を指導させるというような議論も出ているが、私学の教育は学習指導要領を基準にしており、好き勝手にやっているわけではない。また、一方では公立を活性化するために教育特区等を積極的に展開していこうというような動きがあるが、これとは明らかに矛盾する。私学には建学の精神に基づいた教育に関する基本の考え方があり、特色ある教育が行なわれている。外部評価ではなく各校が自己評価をきっちりとやって保護者や関係者によく理解してもらうことが大切である、と訴えられました。
  私学における教育改革の基本は、(公立のみならず)私学も当然のことながら公共教育である、という考え方に立って、それぞれの学校が自主的に取り組むべきことです。文科省をはじめ外部から言われて受身で行なうのは真の意味での改革ではない、と言われる久保田先生の意見は正論ではないでしょうか。現在、本校も学校改革を進めつつありますが、創立の精神に立ち戻ると共に生徒の実情に合わせて、やるべきことを決め実行していかなければならないと思っています。
                                    《続く》