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変化への対応 ~カマスの実験

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  11月14日(水)、全校朝礼で次のような話をしました。
“カマスという魚がいますが、皆さん知っていますか。主に塩焼きや干物として食されていますので、知っている人も多いのではないかと思います。
  カマスは細長い円筒状の魚で、我々に最も身近なヤマトカマスは全長25㎝ほどですが、体長180㎝に及ぶオニカマスという亜種も存在し、人が襲われたという報告もあるほど獰猛です。肉食魚で主にイワシなどを捕食します。(英語名の「バラクーダ」という名称でも知られています。)
このカマスを使った心理学の有名な実験があります。
  空腹のカマスの群れを水槽に放ちます。次にその水槽を透明な板で仕切ります。最後にカマスのいない方に餌となる小魚を放ちます。するとカマスは小魚を食べようと、透明な板に何度も体当たりします。いくら挑戦してみても成功しません。そして何度も透明な板にぶつかり、頭が傷ついてしまい最後にはあきらめておとなしくなります。
  このような状態になった後で、その透明の板をはずし、カマスが自由に小魚を食べられるようにしてやります。するとカマスはどのような行動をとるでしょうか。普通に考えると、カマスは喜んで小魚を食べに行くと思うでしょう。ところがカマスは全く動かず、小魚を捕食しに行かないのです。小魚がカマスの目の前にやってきても何の反応もせず、やがてカマスはそのまま餓死してしまうそうです。何度この実験をしても、同じ結果になるそうです。
  この気力が無くなったカマスを元気に戻す方法がひとつだけあります。皆さんわかりますか。正解は何も知らない別のカマスを一匹、水槽に入れてやることです。新しく水槽に入れたカマスは盛んに小魚を食べ始めます。これを見ていた多くのカマスもやがて小魚を食べ始めるそうです。
  皆さんも目標を持って色々なことをやり始めますが、思い通りにならない、何回挑戦しても上手くいかないということが多いのではないでしょうか。そして、出来ないと思って諦めてしまいますが、今、周囲の環境は大きく変わってきているのです。これまであった透明な板が無くなっているかも知れません。それでも行動を起こさずじっとしているため、チャンスを逃しているケースもあります。このような時には全く別の人のやり方をまねたり、聞いてみることも大切です。
  何事も諦めず、新たな気持で取り組めばきっと新しい道が開けるのではないかと思っています。”