インターネットの光と影
昨日、教職員研修会において、兵庫県インターネット安全安心利用推進協議会の会長である三好成明氏に「インターネットを楽しく安全に利用するために」というテーマでお話をいただきました。この協議会の事務局は兵庫県警察本部生活安全企画課サイバー犯罪対策係内に設置されており、警察と連携して青少年の健全なインターネット利用の啓蒙を 推進されています。
三好氏は、日本IBMに勤務されていた平成7年に阪神淡路大震災で被災され、その翌年兵庫県初の地域プロバイダー㈱ワープインターネット神戸を設立、IBMを退社後の平成12年にこの協議会を設立され、以降会長として幅広い活動を続けておられます。
今回は、昨今急増しているインターネット犯罪のことを中心にお話しいただきました。現在インターネットを巡って様々なことが問題になっており、特に10代の青少年を狙った悪質なものが増えてきています。代表的なものとしては、オークションを利用したり、ワンクリックしただけで多額の請求が来たりする「オンライン詐欺」。「出会い系サイト」やそれによって起こる性犯罪・暴力犯罪。いじめや嫌がらせを目的とした迷惑メール。爆弾や麻薬の作り方を掲載したり、自殺勧誘や殺人委託まで行なう、いわゆる有害サイトがあります。そして、驚くべきことに全サイトの7~8割もがこういった有害サイトであるとの事です。
近年、我々の生活はインターネットによって、非常に便利ものになりました。必要な情報は苦労して専門誌・専門書を探して調べる必要もなく、一瞬で手に入ります。離れたところにいる相手にも、電子メールですぐに連絡が取れます。しかし、すべてのものに光と影があるように、インターネットの“影”という面を見逃してはならないのです。発信者の顔が見えない、世界中の何処の誰が閲覧するかもわからない、中には悪意を持った人間も多くおり、犯罪めいた罠をしかける悪者がいる、ということを決して忘れてはいけません。
特に携帯端末を持つ子ども達は常に危険と隣り合わせていることを、まず保護者や教員が理解しておくことが大切であり、その上でサイバー犯罪に子ども達が巻き込まれないように細心の注意を払っておかなくてはならないということを痛感しました。今後、子ども達の身を守るためにも保護者対象の研修会を開催していかなければならないと思っています。
ご多用中にもかかわりませず、講演していただいた三好氏に心より御礼申し上げます。
兵庫県インターネット安全安心利用推進協議会 http://www.hipc.gr.jp/