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OECDの学力調査結果を受けて

新聞記事
     ※ 日本経済新聞より

  昨年OECD(経済協力開発機構)による、世界57カ国の15歳を対象に第3回目となる学習到達度調査が実施されました。日本の高校1年生は前回(第2回)2003年に行なわれた調査に比べて、読解力が14位から15位へ、数学的活用力が6位から10位へと低下、これまで上位であった科学的活用力も2位から6位に低下し、今回実施された3分野すべての順位が低下しているという結果となりました。この調査は3年毎に実施されていますが、2000年の第1回調査では数学的活用力が1位、科学的活用力が2位、読解力が8位であったことを見ると、世界トップであった学力が世界の平均になってしまうという、極めて残念な結果になっています。
  この調査を通じて、世界各国の注目を集めているのが北欧の国フィンランドです。フィンランドは今回の学力調査の結果でも、読解力で2位、数学で4位、科学で1位という高い成績を上げています。フィンランドは人口は524万人しかいませんが、世界経済フォーラムが毎年発表する国際経済競争力の順位でも、2001年から4年連続首位となる程の豊かな経済力を有した福祉国家として有名です。おかげで教育はすべて無償なので、子どもの勉強が家庭の経済力に左右されないという利点があります。教員の学力の質も高く、みな修士号を取得しています。そして、何よりも子ども達に考えさせる力を引き出しています。即ち、試験は丸暗記ではなく、小論文などの形式で行なわれることが多いようです。子どもたちも「勉強する」かわりに「読む」ことが多く、その中で必要なことは自然と覚えていくようです。
  フィンランドは、ユネスコ定義による高等教育機関への進学率が87%と世界第2位(第1は韓国)で、この教育水準の高さが、携帯電話の世界占有率39%を有するノキアに代表されるような世界有数の企業の輩出に繋がっていると言えます。
  本校も単なる知識詰め込み型ではなく、子ども達の持つ可能性を最大限に引き出す特色ある教育活動を推進していきたいと思っています。