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地球環境を考える ~食糧問題~

トウモロコシ
 バイオ燃料にも使用されるトウモロコシ

  日本の食糧自給率が低いということは、これまで何回かお知らせしてきましたので、皆さんもご存知のことだと思います。食糧自給率には金額を元に算出する方法もありますが、基本的には熱量(カロリー)をベースに算出します。その計算の上では、我が国における食糧自給率は40%しかありません。それも時代を追うごとに下がってきており、先日はついに39%という報道もなされました。また、主食となる穀物の自給率はわずか28%しかなく、これも世界の主要国の中でも最低の数字です。米はほぼ自給できているにもかかわらず、米離れが起こっているからです。
  都道府県別の自給率を見ても、100%を超えているのは北海道と東北の数県のみで、東京都に至っては1%しかありません。
  現在、全世界における食料生産量は、実は全人口をまかなうのに充分であるといわれています。ところが現実には、世界では8億人が飢餓で苦しんでおり、年間1000万人もの子供が餓死しています。こういったことが起こるのは、世界的に需給のバランスが崩れているのが原因です。一部の地域、つまり先進諸国が贅沢をしすぎることが問題であると言われています。
  今後、大方の予想では、世界人口の増加に伴い、食糧生産は追いつかないであろうと予想されています。化石燃料に代わるバイオ燃料が最近注目されていますが、材料はトウモロコシです。食糧問題が深刻になれば、長年の研究の末作り出されたこの燃料も作るわけにはいかなくなるでしょう。農地を増やすために森林を切り開けば、砂漠化や温暖化という環境問題に行き当たります。そして先日お話ししたとおり、農業のために必要な水が、大量に足りないという更なる問題があります。2050年には90億人に達するといわれる世界人口を支えるのは困難だとされています。
  そんな中で日本はいつまで食糧の半分以上を輸入に頼る生活を続けられるでしょうか。
日本は自給率のみならず備蓄も少ないのが現状です。もしなんらかの事情で輸入が止まることになれば、たちまち食料危機に陥りかねません。それ以外にも難民の大量流入の可能性なども懸念されており、今の日本は一転して食糧危機に陥る危険性を秘めているとも言われています。そういった事が、この流動的な世界の変化の中、この先起こらないという保障はどこにもありません。
  現在、わが国はこのような食糧事情にあることをまず国民一人ひとりが認識しておくことが大切であると思います。                     ≪続く≫