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地球環境を考える~食糧問題2~

  わが国の食糧問題を考える場合、食糧自給が極端に低いということ以外に世界で最も食糧を無駄にしているということを見逃すことはできません。現在、世界では飢餓が原因で1日4~5万人、1年間に1500万人以上の人が亡くなっており、その70%が子どもであるという痛ましい結果が報告されています。このことは食糧の絶対量が足りないということではありません。世界の穀物の生産量は年間19億トンもあり、単純に計算すると世界の人が生きていくのに必要な量は十分確保されています。にもかかわらず、飢餓問題が生じるのは、一部の先進国が必要以上に食糧を費消しているため、すべての国に行き届かないということなのです。そして、食糧難に陥っている人達から見れば信じられないことですが、まだ十分食べられるものを廃棄しているケースも多いのです。
  日本は毎年約6000万トンの食糧輪入をしていますが、実にそのうちの3分の1である2000万トンを廃棄しています。この廃棄量は世界一の食糧消費大国であるアメリカを上回っており、世界の食糧援助総量を超えているのです。言い換えると日本で廃棄されている食糧で世界の飢餓を救えるということになるのです。お金の力によって世界中の食糧を買い漁り、その一部を食べないで捨てているという状況は、世界的にも非難されてしかるべきであり、恥ずべき行為であると考えなければならないと思います。日本の食について引き続き考えていきたいものです。    ≪続く≫