« 地球環境を考える ~食糧問題3~ | メイン | 高槻市立小・中学校校長研修会での講演 »

地球環境を考える~食糧問題4~

  前回、年間の食糧の廃棄が膨大な量(約2000万トン)であることを紹介しましたが、この内訳を見ると加工段階で発生するものが約400万トン、流通段階で発生するものが600万トン、消費段階で発生するものが約1000万トンということになっています。加工段階では缶詰を作る際の魚類の内臓やジュースを絞った後の果物の皮、絞りカスといったものがあげられますが、これらはある程度許容できるものであり、メーカーの取り組みにかかっています。また、流通段階ではコンビニやスーパーでの賞味期限切れや、買い手がないため廃棄されるといったケースが数多く見られますが、これは仕入れや在庫管理の精度を上げることで減らすことができます。このような加工・流通段階における食糧の廃棄は、それぞれの専門家に委ねざるをえず、我々の手に届かないところにあるように思います。
  しかし、食糧廃棄の半数を占めるのは消費段階で生じるものなのです。ある調査によると、各種のパーティーなどによる食べ残しは2割に近く、結婚披露宴にいたっては折角のご馳走の3割もが廃棄されているそうです。そして、何と言っても我々が廃棄について真剣に取り組まなければならないのは、我々自身でコントロールできる家庭から出る生ゴミなのです。これを、減らすにはどうすれば良いのでしょうか、例えば肥料として利用する、という取り組みが考えられます。それを用いて家庭菜園などができれば、多少の食糧を自給することも可能になります。
  家庭外では食べる量を考えて注文する、家庭では買いすぎに注意する、冷蔵庫内に保管している食品を常にチェックする、食べ残しをしない、食材をフル活用するといったこまめな取り組みが必要です。
  昨今は石油価格の高騰によって輸送コストが上がり、今後ますます輸入食品の価格上昇が予想されますが、これを機会に地球環境と家計の両方を防衛することを考えてはどうでしょうか。