高槻市立小・中学校校長研修会での講演
高槻市では小学校・中学校の校長先生を対象とした研修会を定期的に開催されています。12月10日(月)、この一環として『これからの学校経営のあり方~人材育成の観点から~』と題して約1時間半にわたり講演を行ないました。
大阪府においては主として高等学校は府の管轄、幼稚園・小学校・中学校は各市の管轄になっています。この中でも高槻市は以前よりユニークな教育活動を展開することで知られています。最近では、平成13年3月「高槻市の教育改革について」を策定され、「信頼される魅力ある学校園」の実現を目指してさまざまな教育改革に取り組んでこられました。また、平成17年度からは、これらの教育改革を充実・発展させるために学校園2学期制の導入に向けた調査研究を始められ、翌平成18年度の試行を経て、本年4月よりすべての学校園において2学期制を導入されました。同時に地域や家庭と連携を深め、特色ある教育活動を創造し、より地域に開かれた教育改革を行なっておられます。
これらを円滑に推進していくためには、高い資質を有する数多くの教員が必要ですが、これから続々と発生する団塊の世代の定年退職者の後を補充できる人材が育っていないのです。これは教育界だけの現象ではなく、日本のあらゆる分野における共通の課題です。
人材育成というとすぐに「研修を受講させる」ということが頭に浮かびますが、これはあくまで理論研修であり、実践に結びつかなければ何にもなりません。最も重要なのは、仕事を通じて育てるというOJT(On the Job Training)なのです。そのためには校長や教頭はもとより、先輩教員が後輩を育てるという仕組みと風土づくりが必要です。また、学校の全体目標と個人目標が一致していなければなりません。人材育成における校長の役割は、各人に対してより高い目標を設定させることにより、能力伸長をはかるということです。
民間の優良企業と言われるところは、例外なくこのOJTが徹底されています。「経営の根幹は人である」という言葉がありますが、まさに人材の質が経営を左右していくのは間違いないと思っています。