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日本の伝統と文化~年越しそばと除夜の鐘~

年越しそば

  一年を締めくくる大晦日の夜を一年の日ごよみを除くという意味で除夜と言います。この大晦日には暮れゆく年を惜しむという意味で昔から色々な行事が行なわれてきています。その代表的なものが年越しそばを食べるという風習ですが、これは江戸時代中期から始まったようです。そばを食べるのは〝伸ばして細く長く伸びるので、寿命や身代、家運が長く伸びる〟ことに繋がる、〝金細工師が1年の作業を終える時に、そば粉を丸めて散らかった金粉を寄せ集めていたことからお金が集まる〟〝そばは切れやすいので、旧年の苦労や災厄を切り捨てる〟〝そばは風雨にあたっても、翌日陽が射すと起き上がるということから捲土重来を期す〟等といった意味が込められているようです。
  また、除夜の鐘をつきますが、この風習は中国の宋の時代に起こり、日本には鎌倉時代に伝来したと言われています。新たな思いで新年を迎えるために、今年一年の自分の行いを改めて振り返り、至らなさや愚かさをしみじみ反省しながら除夜の鐘と共に洗い流すというものです。除夜の鐘は108回つくことになっていますが、これは人間の煩悩の数なのです。
即ち、人間の感覚を司るのは、眼、耳、鼻、舌、身、意の六根。これに好(気持が良い)、悪(嫌だ)、平(何も感じない)の3種類。また浄(きれい)と染(きたない)の2種類。最後に現在と未来、過去の3つ。これだけの組み合わせを考えると6×3×2×3=108ということになるとのことです。
  参考までに、正式な数珠の数は、人間の煩悩の数と同じ108個です。簡易タイプとして54個(2分の1)や27個(4分の1)が使われていますので、確認しておいてください。