家庭での食育~②20年後の自分を見据える
〝食を考えるということは20年後の自分を見据えることである〟という言葉があるのをご存知ですか。20年後には、今の子ども達は立派な社会人として仕事をしていると思いますが、問題は健康状態がどうなっているかということです。
現在の日本はまさに〝飽食の時代〟であり、欧米式の食生活によって、高カロリー、高たんぱくの食事が当たり前になってきました。この結果、子ども達の背は伸び、一見立派な体つきになりましたが、栄養過多による肥満が引き起こす「小児成人病」と呼ばれる病気が増大してきているのです。そして、これまでは、中年以降の専売特許だった糖尿病、高血圧症、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞が子どもや若者の間に広がり、小中学生の二人に一人が小児成人病に侵され始めているとの報告もあるのです。
これでは、世界一の長寿国の地位も失ってしまうのは時間の問題ではないかと思います。
現に日本一の長寿を誇っていた沖縄県において、食生活の欧米化によって、戦後生まれの人達の平均余命に変化が見られるようになってきています。せっかく優れた学力や技能を兼ね備えていても、生命がなくなればどうしようもありません。社会で活躍するためには、〝健康で長生きする〟ということが前提条件になるのは当然です。
今、皮肉なことに世界ではヘルシーということで「日本食」の良さが理解され、いたるところで日本食ブームが起こってきています。日本食の特長は〝米を中心とした多様な副食〟にあります。
各家庭において、今一度、日本食の素晴らしさを見直し復活させて欲しいものです。