家庭での食育~①食を取り巻く問題点
平成14年国民栄養調査より
人間が生きていくためには〝食〟は欠かせません。食はまさに命の源であり、生命を維持するためには不可欠であることから、人間は自らに最も適した食について、豊かな知識や経験によって食文化を築き生きる力を育んできました。
しかし、わが国においては急速な経済発展に伴い生活水準が向上し、「食の外部化」と「食の多様化」が進んだ結果、食の大切さに対する意識が希薄になり、健全な食生活が失われてきています。
そして、いまや、わが国の食をめぐる現状は危機的な状況に陥っているのです。
現代の食を取り巻く問題点としては次のようなものがありまます。
脂質の過剰摂取、野菜の摂取不足、朝食の欠食、調理済み食品による栄養の偏り、食生活の乱れによる肥満や生活習慣病の増加、痩せたい願望による過度の痩身、食品添加物や残留農薬の危険性、食品の偽装、深刻な食物アレルギーの増加、不規則なおやつの時間等、枚挙に遑(いとま)がありません。この他にも食事マナーの乱れや家族揃っての食事機会の減少といったこともあげられます。まさに、家庭における食生活の改善をはかっていくことが急務なのです。
また、環境問題への対応や食料自給率の向上、日本型食文化の伝承といった問題についても各家庭で考え、身近なことから取り組んでいくことが大切であると思っています。