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家庭での食育~④カルシウムの摂取

カルシウム不足


  最近の子ども達を見ていて気になるのは、あまりにも骨折が多いということです。「骨」という言葉を聞くと、すぐにカルシウム不足ということが思い浮かびますが、カルシウムが身体の中でどのように動いているのかという仕組みは実に興味深いものがあります。国立健康・栄養研究所の江指隆年氏によると、人とカルシウムの関係は次のようになっているとのことです。

 〝人の首の辺りには、甲状腺と副甲状腺があるが、血液中のカルシウムが少しでも足りなくなると、副甲状腺ホルモンが骨に働きかけてカルシウムを引き出し血液中のカルシウム濃度を元に戻す。逆に血液中のカルシウムが多くなったら、甲状腺ホルモンが働いてカルシウムを骨に戻す。更に血液中のカルシウムは腎臓を通って、尿の中に排泄されるが、急速にカルシウムが不足しないように、腎臓はいったん濾過(ろか)したカルシウムを、もう一度血液中に呼び戻す働きをしている。
  そして、血液中のカルシウム濃度のバランスが崩れると病気になるし、骨の中のカルシウムが少なくなると骨粗しょう症になる。そのため、お母さん方はこぞって子ども達にカルシウム食品を与えようとするが、これだけでは不十分である。何故なら腸からカルシウムを吸収するためには、「活性型ビタミンD」(魚の脂身やシイタケ)が必要である。
  また、リンが過剰になるとカルシウムは腎臓への沈着を始め、マグネシウムが不足すると血管や心臓に沈着を始める。ちなみにリンはインスタント食品に多く含まれており、マグネシウムは海草、緑色野菜に多く含まれている。 つまり、カルシウム不足を補うには、栄養のトータルバランスがとれた食事が大切ということである。〝

  インスタント食品中心の食事をする一方で、カルシウム薬剤を常用するような間違ったやり方は厳に謹んでいただきたいものです。