チョコレートとバレンタインデー
明日(14日)はバレンタインデーで、最近では、この日に女性から男性にチョコレートを贈るということが習慣化してきましたが、この日の由来については知らない人も多いようです。
昨年も紹介しましたが、269年、ローマ帝国の皇帝であったクラウディウスⅡ世が出した「自由結婚禁止令」に背いて処刑されたキリスト教の司祭であった聖バレンティノ(英語名:バレンタイン)の命日ということで、この日が「恋人達の日」とされたのです。
外国では、このバレンタインデーに花やケーキやカードを贈る習慣はありますが、チョコレートを贈るとは限っていません。
現在、わが国では、この日に関連して売れるチョコレートの量は、年間の12~15パーセントと言われていますが、高級品を扱っている店では、実に30%を超えるようです。バレンタインデーにチョコレートを贈るというイベントは、1958年(昭和33年)、メリーチョコレートの営業主任であった原邦生氏(後に社長に就任)がヨーロッパにいる知人から聖バレンタインの話を聞き、新宿の伊勢丹デパートでキャンペーンセールを行なったのが最初です。ところが、3日間で売れたのは、わずか30円の板チョコ5枚と4円のカード5枚の計170円でした。それでも諦めずに、翌年からはハート型のチョコレートを売り出す等の新たな試みを行ない、昭和50年代になって、やっとイベントとして定着したのです。
今年は最初のキャンペーンセールから数えて50年目にあたります。まさに、半世紀にわたるお菓子メーカーの人達の挑戦の歴史と言えるのではないでしょうか。
参考までに、チョコレートは、アステカ文明の人々がカカオやショコラという呼び名で、強壮剤として飲んでいたものをスペイン人が持ち帰ったもので、日本に伝来したのは18世紀末です。そして、最初に固形のチョコレートを製造したのは、1899年(明治33年)、森永商店(現:森永製菓)の森永太一郎氏です。また、世界のカカオ生産量の約半分を占めているのは、西アフリカにあるコートジボアールです。