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家庭での食育~⑫脳を活性化するDHA

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   DHAが多く含まれているサンマ

  最近、よくDHAという言葉を聞かれているのではないかと思います。DHAと言うのはドコサヘキサエン酸の略で、高度不飽和脂肪酸のひとつです。
  1989年、イギリスの脳栄養化学研究者であるマイケルクロフォード教授が『原動力』という著書の中で、〝日本の子ども達の知能指数が、欧米の子ども達に比べて高いのは、魚を食べているのが一つの理由である〟と述べたことから、DHAが一挙に注目を集めることになりました。そして、いたるところで、DHAに関する研究が進み、DHA入りの清涼飲料水、クッキー、味噌等の食品が相次いで発表されることになりました。
  このDHAの身体の部位における含有率は目、脳、心筋、胎盤の順になっていますが、脳細胞においては記憶学習機能をつかさどる「海馬」という部分に多く含まれています。DHAの効用について、体重1500グラムの未熟児300人を対象にした注目すべき研究結果が発表されています。これによると、「母乳で育てたグループ」と「粉ミルクで育てたグループ」の8年後の知能指数は103.0と92.8と実に大きな開きが見られました。母乳にあって、粉ミルクにはない、しかも脳に関係している成分はDHAだけということから、いかにDHAが脳にとって大切なのかが証明されたのです。
  DHAを摂取することによって、神経細胞の情報伝達をスムーズにする脳細胞が活発化し、記憶力、判断力、集中力が高まります。また、視力の向上やアトピー性皮膚炎の改善にも効果のあることも解ってきていますが、このDHAは魚、特に青味の魚に多く含まれています。
  最近、とみに子ども達の魚ばなれの傾向が強くなってきていますが、それぞれの家庭において、魚の良さを再認識して欲しいものです。