家庭での食育~⑨安全な食材を選ぶ(Ⅱ)
食品添加剤と共に留意しなければならないのが、残留農薬です。人間の体も同じですが、病気にかかりやすいというのは、抵抗力が落ちてきているからなのです。農作物もこれと同じで、土壌が弱ると病虫害の被害を受けやすいため、これを防ぐために頻繁に農薬使用しているのです。農家の人は農薬が健康に良くないということを知っていて、自分達が食べる農作物には、ほとんど農薬を使わないのに、商品にするものには使っているケースが多いということも聞きます。
また、最近、その安全性が問われだしたのは、輸入された野菜や果物です。例えば、アメリカ産と国産のレモンを同じように冷蔵庫に入れておくと、国産物は日数が経つとカビが生えたり、腐ってくるのに対して、輸入物は一ヶ月経っても何の変化もありません。オレンジやグレープフルーツ、サクランボ等も同じです。この理由は、「ポスト・ハーベスト」と言って、農作物の収穫後、害虫や酸化、腐敗、カビの発生を防ぐために農薬を使用しているからです。日本では、収穫後の農薬の使用は禁じられていますが、輸送や貯蔵に多大の時間を要する輸入食材については、品質を維持し、価格の高騰を防ぐために大量の農薬が使われているのです。しかし、ポスト・ハーベストに使用される農薬は、生育中に使用される農薬と異なり、残留の割合が極めて高いのです。
また、加工されている場所が国内であっても、材料が輸入品の場合には、どのような経路を辿っているのかが問題となります。要は多少高くても、できる限り国産品を選ぶ方が安全であるということになります。しっかりと安全な食材を選んで欲しいと思っています。