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家庭での食育~⑬自然食のすすめ

  経済発展と共に食生活は急速に豊かになりましたが、反面、残留農薬・食品添加物・輸入食品の増加等様々な問題が生じてきました。そのため食材に対する関心も徐々に高まり、今では多くのスーパーやデパートに自然食品コーナーが設けられ玄米・無添加調味料・有機栽培・無農薬を謳って、野菜や果物が並べられています。ところが、実際には無農薬野菜は形が悪い、自然食品は味が今一つ、調理に手間がかかる、価格が高い等の理由で敬遠されているケースも見受けられます。
  食生活は、人類史上その土地の風土が基本になっており、地場で収穫された穀物・イモ類を主食として、季節の野菜や豆類、海藻類、魚介類を副食としたものが中心でした。これらは長い距離を運送されることもないため、腐敗や鮮度が落ちるということを考える必要はありませんでした。言い換えると意識せずに新鮮な食材を食べていたのです。明治時代には、〝三里四方(ぐるり12km)で採れる旬のものを食べる〟のが一般的でした。これが結果的には、身体にとっても良いということになっていたのです。
  しかし、現在我々の食卓には、住居から遠く離れた地域で収穫されたものや海外から運ばれてきたもの、加工されたものが数多く見受けられます。熱帯のバナナやパイナップル、夏野菜であるトマト等は身体を冷やす効能があることが判っていますが、冬にこれらのものを食べると身体が冷えて具合が悪くなるのです。
  今、一度原点に戻って自然食を中心とした食事を家庭の食卓に取り戻して欲しいものです。