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家庭での食育~⑯命をいただく

いただきます

  食事の前に、手を合わせて「いただきます」と言っている子どもがいる一方で、何も言わずに食事を始める子どももいます。これは子どもに限ったことではなく、大人になっても同じです。
  「いただきます」と言う言葉の意味は、牛や豚、鶏、魚介類、野菜、果物等の命をいただいているということです。これらの動植物にも当然生きる権利がある筈なのに、人間のために食料になっているのです。さまざまな命の集積が我々自身の命を支えてくれている、言い換えると人間は多くの命の犠牲の上に立って生かされているということになります。また、これらの食材が我々の手元に届くまでには、漁業や農業だけではなく、運送業、卸業、小売業に従事されている人達のお世話になっているのです。 
  ところが、最近の風潮は食に対する感謝の気持が薄らいできているように思えます。その顕著な例が食べ残しです。昔は米粒一つでも残すと、親から〝米という字は八十八と書くが、これは八十八の手間をかけて作られているからだ。食べ物を粗末にしてはいけない。〟と厳しく叱責されたものでした。
そして、自分の嫌いな物でも最後まで食べるということを躾けられたため、偏食する子どもも少なかったように思います。
  家庭において、〝食べ残すという行為は、生き物の命を粗末にすることである〟ということを、しっかりと教え、食事の前に〝いただきます〟ということを習慣付けることにより、食に対する感謝の気持を育てて欲しいものです。