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エコライフのすすめ ~「勿体ない」という気持ち

  皆さんは、ケニアの環境副大臣でノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ氏がしばしば口にしたことで世界的に注目されるようになった日本の言葉を知っていますか?それは「勿体ない」という言葉です。
  かつて同氏が来日された際、小泉元首相が「勿体ない」というのは「もともと食糧不足の時代に、親が子どもに『つくった人の身になって大事に食べなさい』と諭した言葉である。」と説明したところ、彼女は一言ですべてを言い尽くすこの言葉に大いに心を動かされたそうです。ところがこの「勿体ない」という気持ちを表す言葉は日本語独自のものであり、外国語の訳語はほとんど見当たりませんでした。そのため、マータイ氏は日本語の「MOTTAINAI」を「地球環境の大切さを訴える言葉として世界に広げたい」との思いで、さまざまな国際会議の席などで紹介しました。
  この「勿体ない」という言葉は、かつて日本人なら誰もが日常生活の場において、『感謝』と『自戒』を示す言葉として用いていましたが、急速な資本主義経済の発展に伴い、大量生産・大量消費が一般的になり、次第に死語となりつつあります。昨今は食べ物を残す、電気をつけ放す、水道水を流し放す、まだ着られる服を粗末にする、十分使えるのに買い換える、といった無駄がいたるところで見受けられます。また、同時に、日本人の長所であった『謙虚さ』も失われようとしているように思います。
  無駄をなくすというと、すぐに金銭的にケチだと思われますが、今後の社会の発展のためには、ごみを減らす、リサイクルを進めるなど環境負荷を少なくし、持続可能な循環型社会を構築していくということが極めて大切です。
  現在、特にヨーロッパ諸国においては今後の経済のリーダーシップをとっていくためにも、環境問題に関して真正面から強力に取り組んでいます。そして、CO2の削減目標を京都議定書で定めた8%をはるかに上回る40%、60%、80%に引き上げ、互いにしのぎを削っています。このことから見ても、日本の環境問題に対する危機意識は、海外に比べて余りにも低いと言わざるを得ません。
  今後、日本が世界から取り残されないためには、環境に対する課題をしっかりと認識し、強力に取り組んでいくことが必要であると思っています。