環境教育について~①なぜ今環境教育なのか
これまで何回かにわたり、地球の温暖化をはじめとする環境問題について取り上げてきました。また、昨今はマスコミにおいても、毎日のように地球の環境を守るための取り組みについて報道されてきており、環境に対する意識は急速に高まってきているように感じています。皆さんの中にも、地球規模での環境問題がこれほど深刻な状況になってきているということを知らなかった人も多かったのではないでしょうか。我々は自分達の生きている地域や時代を中心に色々なことを考えがちですが、時には大きな時間軸や空間軸で物事を考えていかなければならないこともあります。その代表的なものが、地球環境をめぐる問題ではないかと思います。時間軸ということで地球の歴史を取り上げると、地球の誕生した46億年前に遡らなければなりません。しかし、人間の一生というスパンをベースに考えると、46億年というのはあまりにも膨大すぎるため、実感が沸かないのではないかと思います。理解を深めるために地球が誕生してから現在までを1年に例えると、ホモサピエンスの誕生は12月31日の11時40分前後となり、わずか20分しか経っていません。また、農耕を始めたのは約1万年前であり、地球の1分間の動きということになります。
更にこの100分の1である100年の間、言い換えると瞬きしている間に急速な経済発展と人口爆発が起こり、深刻な環境問題が生じてきているのです。空間軸で現在の世界の状況を見ると、豊かさを享受している人達がいる一方で、毎日の食糧や水にもこと欠く人達が数多く見られます。
本校においては、本年度より環境教育について本格的な取り組みを開始することになりましたが、今の世の中の動きを受けて急遽始めたわけではありません。これまで、本校では人間教育の充実を教育方針のトップに掲げていますが、〝人間力を高めるための特効薬はない〟ということで、「爽やかな挨拶」「きっちりとした服装」「ルール・マナーを守る」という3つの『凡事徹底』を基本に取り組んできました。しかし、これだけではともすると受身になりがちになるため、更に自主的に行動するという取り組みを加えたいということで約1年にわたる検討を重ねた結果、サントリー株式会社の支援をいただき、この度、環境講座をスタートさせることになったのです。
この他にも環境教育の狙いは数多くありますので、これから何回かにわたって「環境教育について」というテーマで紹介していきたいと思っています。