環境教育について~③学び考え行動する
本校の創立の精神は「社会で役立つ人材の育成」ですが、社会で役立つ力は、単なる知識だけではありません。私は今でも企業の幹部や人事担当の方と時々懇談していますが、〝最近の若者の中には指示されたことはできるが、自ら問題意識を持って行動するということができない人が多い〟ということをよく聞きます。このような人が増えれば、新しいことにチャレンジするという気風はなくなり、これまでどおりの無難なやり方を踏襲することになってしまいます。この結果、組織の活力は失われ衰退の道を歩むことになります。今社会で求められているのは、自ら課題を見つけ出し、その課題解決に向かって行動する人材なのです。
現在、わが国の学校においては、子ども達に知識を教え、テストという形で問題を出すことによって知識が修得できたかどうかを把握するようになっています。つまり、「与えられた問題を解く」という知識偏重型の教育が中心になっています。このことが社会に出た時に応用が効かない人間を作り出している大きな原因なのではないかと思います。
社会においては、学校とは異なり正しい答えは一つではありませんし、与えられた問題を着実にこなすというだけでは不十分なのです。何が課題なのかを見つけて解決していく、言い換えると問題を作り出す力が必要になります。学校は「社会で役立つ力を育てるトレーニングの場である」と考えるなら、〝自ら学び考え行動する〟という教育が何としても大切なのは言うまでもありません。
環境教育は〝単に知識を学べばこれでお終い〟というものではありません。これからは生徒自らが「学び、考え、身近かなことから行動していって欲しいと思っています。