環境教育について~⑤世界の中での日本を知る
世界の中で抜きん出た経済力を誇っていた日本経済は、バブル崩壊と急速なグローバル化の波に乗り遅れた結果、国際社会における地位の低下は座視できない状況になってきています。そして、現在では、好むと好まざるにかかわらず、グローバルという視点なしに、すべての物事を考えることはできなくなってきました。間もなく先進8ヵ国の首脳によるG8〝洞爺湖サミット〟が開催されることになっていますが、環境問題もそれぞれの国が独自で解決できるということではなく、地球規模で取り組まなければならない状況にあります。
この環境問題については色々な切り口がありますが、とりわけ食糧、エネルギー、水の三つは重要なポイントになります。まず、これらの現状がどうなっているのかを正確に把握しなければなりませんが、残念なことに、多くの人がこれらの問題に関しては知りませんし、無頓着なのです。
先進諸国の中で食糧やエネルギーの海外依存度が極端に高いのは日本だけです。そして、今この二つが世界的にも急騰してきています。しかし、〝食糧やエネルギーの自給率はいくらか〟という問いに対しても正確に答えられる人が果たしてどれ位いるかは疑問です。
どのような食材をどの国からどれ位輸入しているのか、その時の輸送にどれ位の燃料代が使われているのか、日本向けの食糧のためにどれ位の水や肥料が使われているのか、どれ位の森林が失われているのか、廃棄している食糧はどれくらいか、どれ位の石油、石炭、天然ガスを輸入しているのか、鉄鉱石を初めとする原材料はどうなっているのか、それぞれの分野でどれ位の二酸化炭素を発生させているのか、こういったことをグローバルな視点でとらまえていくことが大切なのです。
生徒達に環境問題を通じて、世界の中での日本の位置づけを認識させ、ますます進展するグローバル化の中で、どのようなことに取り組んでいくべきかを考えさせていきたいと思っています。
間もなく開催される洞爺湖サミット