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環境教育について~⑧危機は危険でありチャンス

  近年、食糧、石油や石炭、鉄や銅、レアメタル等の原材料が想像を絶する勢いで高騰してきています。また、サブプライムローン問題に端を発した経済の混乱によって、アメリカでは個人消費が低迷し、ドル安、株安に陥っています。これらの影響で日本の輸出企業の経営は今後ますます厳しさを増すのではないかと危惧されています。更に国境を超えた地球規模の課題である二酸化炭素の削減については避けて通れない状況であり、この取り組みは企業経営にとって負担増になるのは間違いありません。この結果、企業の国際競争力が低下するのではないかと言われています。
  しかし、日本企業の製品が世界各国から受け入れられているのは、高い品質やエネルギー効率なのです。その代表が自動車産業であり、現在日本車は高い評価を受けています。日本企業は二度のオイルショックを経て随分と逞しくなりました。〝必要は発明の母〟という言葉があるように、これまで産業界のさまざまな分野で、世界最先端の省エネ技術を駆使してものづくりの革新を行なってきました。
  シリコンを使わない太陽電池、炭素繊維等、環境技術の面でも世界に誇れるものが数多くあり、これらを磨き上げることによって実用化が加速されることになります。また、日本は周りを海に囲まれており、世界第六位という広大な領海を有していますが、ここには手付かずの資源がまだ多く残っています。沖縄海域や伊豆諸島海域では、海底の熱水鉱床に含まれる銅・鉛・マンガン・コバルトなどが湧出していますし、南海トラフには二酸化炭素排出量が石油の半分と言われる新エネルギー、メタンハイドレートが大量に眠っています。石油や天然ガスの存在が見込まれる地層もありますが、深海ということもあって手付かずの状態になっています。
  今、日本は多くの面で危機的な状況になっていますが、「危」は危険という意味であるのに対し、「機」は機会すなわちチャンスです。環境問題は日本にとって世界をリードするチャンスと受け止めて、積極的に取り組んでいきたいものです。

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