雲雀丘における「特色ある教育」について
2010年に創立60周年を迎える本学園には創立以来あるいは数十年に亘り続けられてきている「特色ある教育」があります。“授業第一主義”を掲げる本学園にあって、そのいくつかを紹介したいと思います。
国語科では、古典の学習が始まる中学2年において、「百人一首大会」を開催し、和歌の暗記と競技カルタを体験させる取り組みがあります。また、知識・教養・資格などあらゆる面で漢字(最近とみに国語学者の側から漢字教育の重要性が叫ばれていますが)を重要な文化ととらえ、中学1年から高校3年生まで学校あげての行事として「漢字テスト」を創立以来続けています。また、これに連動して「漢字検定」組織が全国組織として立ち上げられてからは全学年生が検定受験をすることになっています。
英語科においても、国語科と同じく本学園創立後まもなくより、「英単語・熟語テスト」を中学1年生から高校3年生まで年2回実施します。これも英語短文・英語構文の重要性以上に言語学的に「単語」のもつ文化的・歴史的な重要度から考案された取り組みです。そして、近年は「英語検定」を受検します。中学卒業時には3級、高校卒業時には2級を取得することを目標に、中学3年生・高校2年生は全員が検定を受検します。この科の今年度で第37回を迎える「中学英語暗唱大会」開催も特色ある教育としてあげることができるでしょう。
また、各種「検定」が教育界に浸透している現在、上記2教科の取り組みだけではなく、本学園では生徒の教科目標達成の一助として積極的に「検定」受検にも取り組んでいます。「数学検定」(平成19年 日本数学検定協会より数検グランプリ金賞を授与されました)・「歴史検定」(年2回 本学園を準会場として実施)等などです。
体育科においては創立以来中学・高校男子生徒に「柔道・剣道」のどちらかを選択させて、3年間・6年間を通じて日本の伝統的格技を学び心身の鍛錬(冬期の1月には寒稽古が実施されます)に励みます。これも文部科学省が発表した新しい「学習指導要領」での「格技」の重視から考えると本校教育の正統性が見て取れると考えます。
中学家庭科では、1年間かけて「浴衣」の制作に取り組みます。この伝統は、創立以来50余年続いています。家庭に持ち帰らず、最後まで生徒の手で完成させます。完成した「浴衣」を家庭に持ち帰ると親子3代にわたる、おばあちゃん、おじいちゃん、お母さん、お父さんからお褒めの言葉・喜びの言葉をたくさん頂きます。
以上、本校教育の「特色ある教育」をほんの一例ではありますが紹介しました。
ぜひとも、一度本学園を訪れていただき、“学園の香”を味わっていただきたいと思います。 (玉井記)