赤毛のアンの舞台
プリンス・エドワード島で生まれたルーシー・モード・モンゴメリが自分自身の少女時代と重ね合わせて書き上げた『赤毛のアンAnne of Green Gables』。
1908年の初版発売以来、30カ国以上で翻訳され、世界中で親しまれるようになってきており、今年は記念すべき発刊100周年にあたっている。そのためプリンス・エドワード・アイランド州としても記念切手や記念コインを発行する等の企画がなされている。
モンゴメリは海沿いの農業を中心としたキャベンディッシュで幼年期、少女時代、青春時代、結婚後と島を離れてトロントに移るまで実に30年以上もこの島で過ごしていた。従って、アンが暮らす村のモデルになったキャベンディッシュ周辺には物語で描写された場所が何ヶ所も存在している。例えば、アンが孤児院から引き取られ、少女時代をすごした赤毛のアンのモデルとなった『グリーン・ゲイブルズ』には、モンゴメリは度々訪れていたし、元はモンゴメリのおばさんの家で現在もキャンベル家の人たちが暮らしているグリーン・ゲイブルズ博物館は、彼女の大のお気に入りで祖母の死後3ヵ月はここで過ごし、1911年には一階の客間でユーアン・マクドナルド牧師と結婚式をあげたことでも知られている。また、母が結核で亡くなり、祖父母に引き取られるまでの1年9ヵ月を過ごしたモンゴメリの生家やお墓もある。
このように現存している実際の建物を見ながら、赤毛のアンの物語の足跡を辿っていくのも味わいがあり、生徒たちも次第に「赤毛のアン」の世界に引き込まれていくようである。